©「サ道2021」製作委員会
今年7月9日（金）の初回放送がツイッターでトレンド入りするなど、おそらくサウナ錦糸町のサウナ（138℃）より熱い注目を集めるドラマ『サ道2021』。このドラマシリーズ以前から日常的にサウナ通いをする主人公・ナカタアツロウを演じた原田泰造さんと、ドラマ原作者であり日本でただ一人の「サウナ大使」のタナカカツキさんの誌面初対談が実現！ 普段はサウナ話をメールで送り合う仲だというふたり。サウナ愛あふれるおしゃべりに、ととのったーーー！！
※このインタビューはモーニング36・37合併号に掲載されたものです。
コロナ禍のサウナは自分にフィットしている？
──『サ道2021』にもそういうシーンが出てきますが、コロナ禍でサウナ事情も変わってきました。ご自身の体験で「ここが変わった」と感じるところはなんですか？
原田泰造（以下、原田） 距離を取るようになりましたよね。座席が一つおきになったりして。あと会話が減って、みんな静かになりました。でもそれ、僕にとってはありがたいんですよ。もともと「みんな黙っててくれないかな」と思ってたから（笑）。だから今、サウナに入るとすごく心地良いですね。
タナカカツキ（以下、タナカ） 僕も普段から「サウナではもう少しみんな離れて、もう少し静かにしてくれないかな」とずっと思ってたので、ようやく願いがかなった感じですね。不謹慎ですけども（笑）。
原田 わかります。でもテレビのあるサウナで相撲が流れていて、みんなが「あーっ！」とか「もっともっと！」とか言ってるのを聞くのも、心地良かったんですよ。ああいう場面では声がほしいな……と寂しい気持ちになりますね。
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タナカ 盛り上がってワーッと言いたい瞬間に、誰も声を出さずに黙ったままなのは、ちょっと寂しいですよね。でもこれからまた、ちょっとずつそうなっていくと思いますよ。
原田 あと、サウナ室で僕が出ている番組が流れてるときに、あまりにも静かに見られると恥ずかしい（笑）。そういうときもやっぱり声を出してほしいかな。
──『サ道2021』第1話は後楽園の（スパ・）ラクーアが舞台でしたが、ご自身にとってラクーアってどんな場所ですか？
原田 サウナの王様みたいなところですね。広い敷地にいろんな種類のサウナや温泉、休憩所もレストランも全部入ってて。僕、夜中にラクーアに行ったら、一人で貸し切り状態になったことがあったんですよ。そのときはうれしくて、本当に「すべてがととのった！」という満足感がありましたね。
タナカ 泰造さんが行かれるのってド深夜ですよね。だから比較的人がいない時間にサウナを利用できるわけですよね。
原田 そうです。カツキさんがちょうど寝る頃（※1）に、サウナに入ってます。
※1 タナカ氏は超・朝型のためだいたい夜10時には就寝
タナカ これはドラマの影響もあると思うんですけど、今のサウナって基本は混んでるんですよ。施設の前にも並ぶし、サウナ室に入るのにも並ぶ。ととのい椅子にも座れないことがある。それをかいくぐるために、今はみんなどの時間帯が空いているのか情報交換しあってるんです。
原田 カツキさんはどの時間帯に行くんですか？
タナカ 僕はお昼ちょうどの頃を狙うんですよ。みんながお昼ごはん食べてる時間だから、人が一瞬いなくなる。そこを狙って行きますね。
原田 偶然さん（三宅弘城）は開店と同時に入ってるみたいですね。
タナカ パチンコ屋じゃん（笑）！
原田 すごいですよね。でも気持ち良さそう。
おすすめサウナを紹介していたら…
──ドラマ『サ道』シーズン1の頃と比べると、今はサウナ人口がかなり増えて、すっかりメジャーな趣味になった感があります。こういう取材をすると、ほぼ必ず「おすすめのサウナはどこですか？」と聞かれるわけですが、どこのサウナも混みがちな今、自分のおすすめを紹介することにためらいはないですか？
原田 今はさすがにありますね。シーズン1のときは本当にわけもわからず、おすすめを全部言ってたんですよ。そしたら本当に入れなくなっちゃって（笑）。特に僕、マルシンスパ（笹塚）に毎日のように行ってたんですけど、今の〝マルシン〟の混み方はハンパじゃない（笑）。
タナカ 夜中もそんなに混んでるんですね。そうなってくると、おすすめもおいそれと言えなくなりますよね。
原田 だからソロサウナtune（神楽坂）も、サウナラボ神田（神保町）も、ずっと予約が取れなくてまだ行ったことがないんですよ。今は深夜もやっているサウナで空いているところを探して行ってますね。ロスコ（駒込）とか、なごみの湯（荻窪）とか。あと、カツキさんが『マンガ サ道』でサウナ付きのラブホテルに行けばサウナが独り占めできると描いてたじゃないですか。僕も調べてみたんですけど、今は池袋のラブホテルがとても混んでいるそうです（笑）。
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タナカ ラブホも混んでるんだ（笑）。でもテントサウナが売れたのは、そういう事情もあるんでしょうね。空いているサウナがないから、「じゃあ自分ちの屋上でやろう」みたいなことになったんだと思います。でも今回またドラマの新シリーズ（『サ道2021』）やるわけでしょ？ もう日本のサウナ施設つぶす気かって感じですよ（笑）。これでまたひしめき合いますよ。
原田 きっと大変なことになるんでしょうね。
タナカ ただ、混んでるのはだいたい都内で、地方に出張で行ったりすると、まだ全然ガラガラだったりしますね。
原田 カツキさんがこないだ紹介していた「FUJIYAMA SAUNA」（富士吉田市）はどうでした？
タナカ あそこ、すごく良いですよ。敷地面積も広いし。でもオープンの日は40名くらい並んでましたね。富士山のあんな場所にサウナハットを被った若者たちが並んで、マグ万平（※3）のサインをスマホで撮ってるという（笑）。でも普段はそんなに混んでないと思うのでおすすめですよ。
※３ プロダクション人力舎所属の芸人で、熱波師としても活動。
大人の世界への憧れがサウナの原体験
──新しいサウナ施設が次々にオープンしてますが、「こういうサービスや設備があればいいのに」と思うものはありますか？
タナカ これから出てくるサービスとして、たぶんウィスキング（※4）がくると思いますね。今日モニターで体験してきたんですけど、満足度高いです。ヴィヒタまみれになるのはいいですよ。
※４ ヴィヒタ（白樺の束）で身体を叩いたり、葉をカラダに押し付けたりして行うリラクゼーションサービス。主にリトアニア、ロシアで普及している。血行促進や心身のリラックスなどの効果があると言われている。
原田 偶然さんも体験して、やっぱり「すごく良かった」と言ってました。僕もやってみよう。
タナカ まだ施術者を訓練している段階なので、そのうちその中で上手い人も出てくると思うんですよね。そうなってくると、すごく面白いことが起こるんじゃないかと思います。日本は日本で、もともとマッサージの文化があるので、それと合わさるとまだ独自の進化を遂げそうな気もしますね。まあ今は、サウナが空いてるだけでもう十分なんですけど（笑）。
──どんどん洗練されたサウナが登場する一方で、昔ながらのサウナもまだまだ健在です。ご自身の好みとしてはどちらのほうですか？
原田 どっちも好きなんですよ。ラクーアみたいに洗練された施設も好きですし、駒込のロスコとか、今はもうなくなった新宿のグリーンプラザみたいな場所も好きなんです。どっちも楽しめるんですけど、でもどっちに多く行くかと言えば昔ながらの施設のほうなんですよ。なんだろう、やっぱり落ち着くんですよね。子供の頃に「大人ってこういう場所に行くんだ」と感動したのがその世界だから、というのがあるんでしょうね。「お酒を飲みたい」と同列で、「サウナに入りたい」という憧れがあったんです。これからもいろんなサウナを楽しみたいと思いますが、あの頃の「サウナへの憧れ」の感覚はずっと変わらないでしょうね。
インタビュー・記事／前田隆弘
ドラマ25『サ道2021』
- 出演：原田泰造 三宅弘城 磯村勇斗 ほか
- 原作：タナカカツキ『マンガ サ道』（講談社モーニングKC刊）
- 監督：長島翔
- 脚本：根本ノンジ 竹村武司 山田能龍
- 音楽：とくさしけんご
- エンディングテーマ：Tempalay「あびばのんのん」(unBORDE/Warner Music Japan)
- プロデューサー：寺原洋平 五箇公貴 手塚公一 伊藤才聞
- 製作：テレビ東京 イースト・ファクトリー
テレビ東京ほかにて毎週金曜深夜0時52分〜１時23分放送中!!
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