『バトルスタディーズ』単行本27巻発売記念! なきぼくろ ×『コウノドリ』鈴ノ木ユウ、異色の漫画家・友情対談!

2019年4月から連載が始まった『娘の友達』。サラリーマンの主人公・晃介と、娘の友達・古都の“禁断の関係”を描き、大きな反響を呼んだ本作もいよいよ最終回! 今回は連載終了スペシャル対談として、『娘の友達』の誕生から打ち合わせの内容まで、萩原あさ美先生と担当編集・小見山さんにたっぷり語っていただきます!

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週刊「モーニング」誌上で鎬を削りあった二人が出会ったのは、なきぼくろ氏連載デビュー前夜の頃。「友達」でも「戦友」でもなく、ましてや「師匠と弟子」でもない。鈴ノ木ユウ氏が「親戚の集まりでハブにされた、いとこ同士」と語る不思議な関係を紐解いてゆく。

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……なきぼくろ 『バトルスタディーズ』の作者
>『バトルスタディーズ』公式Twitterはコチラ

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……鈴ノ木ユウ 『コウノドリ』の作者
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口座に16円しかなかった、なきぼくろ「涙の修行時代」

なきぼくろ氏(以下、な):最初にお会いしたのは鈴ノ木さんの仕事場でしたよね。ちょうど『バトルスタディーズ』の連載が決まったときで、当時の担当さんが僕にアシスタント経験がないのを心配して…他人の原稿なんて畏れ多くてできません!言うたんですけど、そんなのでも引き受けてくれたのが鈴ノ木さんだったんです。それで1日だけ見学させてもらって。
鈴ノ木ユウ氏(以下、鈴):なきぼくろ君がまだ上京する前だったよね。 
な:もう現場はめちゃくちゃ大変そうで、でも自信ないから手伝えへん。途中で担当さんも帰ってもうたから「はよ帰りた!」って。でも1時間半で帰るのもあれやし(笑)。
鈴:そうだよね、居づらいよね(笑)。
な:めっちゃ覚えてるのが、隣のスタッフさんが上から点滴が落ちてるシーンをアオリの構図でサラサラーって描いてるんですよ。えっぐ! と思ったけど「えぐいっすね」とは言われへんじゃないですか。それで、完成した原稿を鈴ノ木さんがチェックしてるとき笑けてきたんですよね。「うわぁ、漫画家や…」って。それしか覚えてへん。
鈴:そのあと仕事が一段落ついてからご飯に行ったんだよね。
な:そば連れてってくれたんでしたっけ?
鈴:天ぷらだよー。
な:そう! めっちゃ美味い天ぷら屋さん行って、音楽の話とか…
鈴:あと「お化けとか見たことある?」とかね(笑)。
な:あったあった(笑)。
鈴:最初だから手探りで話してたんだけど、僕となきぼくろ君って、連載デビューの状況が似てたんだよね。漫画あんまり描いたことないのに連載が決まって、子どもができて。お互いその時期はすごく貧乏だったしね。
な:当時口座に16円しかない時期もありましたからねー。一度会ってから鈴ノ木さんがすごく僕を気にかけてくれるようになって「大丈夫? 大変でしょう。一緒にご飯食べいこうか」って誘ってもらって。めちゃくちゃ有難かったですよ。
鈴:漫画家っぽくなかったから自然と仲良くなれのかもしれないよね。僕も漫画家っぽくない。漫画の話も詳しくないから。
な:匂いが似てるのかもしれないですね。一回無理やり漫画の話を振ってみたんですよ。「1話を18Pに収めるコツあるんですか?」とかわけわからんこと。したら食い気味に「ないよそんなの!わかんないよ!」って(笑)。で、このひと面白いなって改めて思って、それから漫画の話は一切しなくなりました。
鈴:漫画家さんが集まる飲み会に一緒に行ったときも、僕たち話が合わなくて浮いてたもんね(笑)。

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鈴ノ木さんの「すごいねー!」が聞きたくて

な:でも、仕事場のこととかは結構話したりしますよね。
鈴:僕も最初、先輩風吹かせて「うちはこうやってるよー」って言ってたけど、連載始まったらなきぼくろ君のほうが優秀だったもんね。
な:んなことないですよ!(笑)。鈴ノ木さんはスタッフさんとフラットに接していて。最初は何となく漫画家って「先生」と呼ばれてるイメージだったから、鈴ノ木さんの仕事場に初めに行けて、すごく参考になりました。
鈴:僕も色々なバイトを経験したから、自分がされたら嫌なことはしたくないってだけだよ。気持ちよく働いてもらえる方が、お互いいいもんね。
な:お陰さまで、うちの仕事場も仲良くやらしてもらってます。
鈴:なきぼくろ君って、会うたびに成長してるなって思うんだよね。背景に3D導入して、次はこういうことやりたくて、スタッフさんとこういうルール作りましたーとか。誰に言われなくても自分で構築していくじゃん。僕はそういう進歩が苦手なタイプだから、すごい尊敬してる。
な:鈴ノ木さんって飲むたびに褒めてくれるんですよ。僕だけじゃなくて全員。「すごいねー!」「僕にはできないよ!」って。
鈴:だって本当に思ってるからね。意外と真面目な話もしてるね、僕たち。
な:アホな話してるばっかじゃないんですよ(笑)。

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野良猫が集まって「鈴ノ木組」

な:でもコロナの前…半年に1回くらいでしたよね。飲む機会って。
鈴:そうだね。モーニングの忘年会でも、せっかく大勢で飲んでるのに、やっぱり最後はいつも同じメンバーなんだよね。
な:似てる感じの人が集まってる感じはしますよね。何か野良猫が集まってくる感じ。確実に「鈴ノ木ユウ組」は存在します。
鈴:ないよそんなの(笑)。
な:鈴ノ木さんって、僕がバンドやってた頃スタジオにいたお兄ちゃんみたいなイメージなんですよね。ずっと野球の世界にいると、先輩たるもの奢ってなんぼや!的な体育会系な発想になりがちなんですけど、スタジオ帰りにその兄さんと鳥貴族行ったら「アカン、金ないわー!出しといて!」って。そのゆるさが居心地いいんですよね。鈴ノ木さんなんて経済力あるのに、誘われて行ったら「あ、下ろしてないや。いい?」って(笑)。
鈴:お小遣い制だったからさ(笑)。
な:あと鈴ノ木さんはスイッチの切り方がすごい。飲み会終わったときは「それじゃあまた~」って爽やかなのに、タクシー乗った瞬間「あれ?今どこいるの?」って。
鈴:それで翌日「あれ?昨日いつ帰った?」ってね(笑)。
な:めっちゃ怖なって…話してる感じは普通なのに!
鈴:「6時くらいに駅に着いて帰ってましたよ」って言われたんだけど、家帰ったの10時で。その間なにやってたんだろう?って。
な:タクシーから降りるとき「大丈夫ですか?」って聞いたら「大丈夫だよ!」って。でも体斜めってるから大丈夫かなーって思ってたら…10時やったんですよね(笑)。
鈴:降りてどっかで倒れてたんだろうねー。
な:映画に出てきそうな人でしょう?

思い出のバッティングセンター

な:あとは…バッティングセンターまた行きたいっすね。
鈴:この人めっちゃ打つんだよ! お酒入ってるし、普通みんなブレブレじゃん。バッティングセンターって全球…打てるものなんだ!?って。
な:野球してる人からしたら普通ですって! でも、バット持つと確かにスイッチ入るんですよね。東村さん(東村アキコ氏)もいたんですけど、二人ともめっちゃ見てきよる。週刊連載よりよほど、あのときの方がプレッシャー感じましたよ(笑)。
鈴:あのメンバーでバッティングセンターに行くって時点で、もう楽しいよね。
な:東村さんがバッティングゲージを探してるところとかね、ホンマおもろいんですよ。

「コミックDAYS」での異色の漫画家・友情対談ではここまで!

気になる対談の続きは、現在発売中の『バトルスタディーズ』27巻で読めます!

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さらに鈴ノ木ユウ氏、なきぼくろ氏が共通でお世話になっていると言って憚らない東村アキコ氏との師弟対談の模様は、こちらから読めますよ!

 

――そして激闘の甲子園準決勝・横羽間戦、劇的決着!

待望の最新28巻が8月23日(月)発売!!

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