【ザ・ノンフィクション その④】講談社マンガ編集者によるアプリ開発物語「食糧人類・トネガワ」編

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みなさん、こんにちは。

 

現在絶賛開発中の

マンガアプリ+WEB「コミックDAYS」

リーダーを務めておりますヤングマガジンのムラマツです。

 

 

思ったより長くなってしまったので、

昨日は中途半端なところで「続く。」をやってしまいました。

今回は頑張って続きを書きます!

 

 

対照的な2本のヒット作

 

 

『食糧人類』は『アポカリプス~』の時とは

桁の違う売れ行きを見せていました。

 

販売部の担当は、

重版をかけてもかけても瞬殺されていく様をみて

「どれだけ刷ればいいのかわからない…」

と呆然とつぶやいていました。

 

 

当時の反響がわかりやすいグラフが以下になります。

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これは、Googleトレンド

「食糧人類」「トネガワ」という

ワードでの検索回数の推移を表したものです。

 

 

「作品のことをもっと知りたい」

と思った人がどの程度いたのか?

を測る尺度と言えると思います。

 

青が「食糧人類」

赤が「トネガワ」になります。

 

両作とも同じ程度の部数が売れていますが、

売れ方は全く対照的でした。

 

『中間管理録トネガワ』は書店員さんからの前評判も上々で、

「マンガ業界」の中でA→B→C→Dと順調に売れていきました。

(マンガ業界のA、B、C、Dについては下記参照)

comic-days.com

さらに

ご褒美のように「このマンガがすごい!2017」オトコ編1位という

名誉ある賞までいただき、

YAHOO!のトップニュースにも掲載されました。

まさに「従来のヒット作の売れ方」といった感じでした。

(こちらも担当しています)

 

一方、『食糧人類』は。

書店員さんもノーマーク、

マンガ好きの間で話題にならないまま、

一気に数十万部が売れていきました。

 

この状況をGoogleトレンドでもう一度比較します。

「トネガワ」が「このマンガがすごい!」を受賞し

YAHOO!トップニュースに載った時の反響は

緑の印の部分になります。

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「このマンガがすごい!」

YAHOO!トップニュースで得られる

何倍もの興味と認知が

『食糧人類』という作品に注がれていた、

ということになります。

 

そしてもう一つの特徴が。

 

紙の比率がかなり高い『中間管理録トネガワ』に対して、

『食糧人類』は『アポカリプスの砦』以上に

電子比率が高い作品でした。

というより、

電子の売り上げに引っ張られる形で

紙の本が売れていった形でした。

 

 

 

「一体、何が起こっているんだ……?」

 

 

 

実は似たような現象が

部内外で起こっていました。

 

今までに見たことのないような

「不思議な売れ方」

散見されるようになったのです。

 

 

これまでと同じように、

雑誌を作り、

マンガを作っていく日々の中で、

地面の下では確実に、

何かが、

信じられないようなスピードで

変わりつつある…ことだけは確実でした。

 

 

「電子書籍」WEBが原因であることも

火を見るより明らかでしたが、

その正体やからくりまでは掴めない……

 

そこで私は、

他部署に研修できる「社内研修制度」を利用して

電子書籍の販売を担当する「デジタル営業部」

2016年末、1週間研修に申し込むことにしました。

 

 

まさか、それがキッカケで

自分自身がマンガアプリ開発を

やることになるとは

夢にも思っていないのでした。

 

 

 

 

続く。