「週刊ヤングマガジン」で連載されている『センゴク』をご存知でしょうか?
"史上最も失敗し挽回した武将"仙石権兵衛秀久を中心に、織田信長、豊臣秀吉など同時代の戦国武将の興亡を描く、宮下英樹による本格歴史マンガです。
2004年から2007年まで連載された第1部『センゴク』では、斉藤家を倒した信長に見出された権兵衛が羽柴秀吉の部下となった時期から、浅井家の滅亡までが描かれました。
以降、第2部『センゴク天正記』では、信長の新政権下を舞台に武田家の滅亡まで。第3部『センゴク一統記』では本能寺の変を経て、小牧・長久手の戦いまで。
そして2015年にスタートし、現在連載中の最終章『センゴク権兵衛』では、淡路国の大名まで出世した権兵衛がさらなる激動の時代に立ち向かう様が描かれます。
清々しいまでに直球な主人公の生き様と、史実に基づいたリアルな描写で、多くの読者を魅了している『センゴク』。ですが、舞台が戦国時代だけあって、難しい言葉づかいがチラホラ…。
「然(しか)らば」とか、
「物言い」だとか、
現代っ子には少しハードルが高いかも。
…でも、読んだら絶対面白いのに~~。
そこで今回は『センゴク』をより親しみやすく感じられるように、
現代語の最前線に立つ"JK"(女子高生)に、一部ページのセリフをJK語訳してもらいました。
それでは、さっそく読んでいきましょう!
(『センゴク』14巻より)
浅井家が立て籠もる小谷城を攻めあぐねている羽柴秀吉に、あえて援軍を出さない信長。その真意は秀吉の成長を促すことにありました。信長の少々古風な言い回しをJK語にすると…
なるほど…わかりやすい!
信長の つらたんな心情 がひしひしと伝わってきますね。
(※「微レ存」とは、「微粒子レベルで存在している」の略語のこと。「ごく少ないが存在する」という意味だが、可能性の大小は問わず使用するケースも。)
どんどん行きましょう!
(『センゴク天正記』2巻より)
本願寺との合戦に備えて、津田妙算を家臣へと誘う権兵衛。直情型の権兵衛と無気力な妙算の対比が印象的なシーンですが、これをわかりやすくしてもらうと…
ふむふむ、「ンゴw」と返されては即勧誘を止めたくなりますね。
それでも諦めない権兵衛は、なんと心の強い男なのでしょうか。
権兵衛の魅力があらためて胸に届きました。
続いてはこちら。
(『センゴク天正記』2巻より)
こちらも本願寺との合戦に備える信長(弾正忠)。そこへ武田軍に侵攻された徳川家の家臣・小栗大六常重が援軍の要請にやってきます。今ひとつ煮えきらない信長の返答に、小栗が声を荒げてしまう緊迫のシーンですが…
「マ!?」、さらにたたみかける「そマ!?」に、小栗さんの驚きのほどがあらわれていますね!
(…えーと、「マジ!?」「それマジ!?」という意味かと思われます!)
「無しよりの無し」という控えめな表現からは奥ゆかしい人柄が感じられます。
お次は、巻をいくつかまたいでこちら。
(『センゴク天正記』11巻より)
信長の中国征伐で上津城を攻めることになった権兵衛に、秀吉の弟・羽柴秀長が合戦の鉄則を指南します。"力攻め"はわかりやすいですが、"調略"とはつまり…?
うんうん、攻撃した後はいろいろ考えて頑張れということですね!
涼しい顔で「バックからやったる」とのたまう藤堂高虎がちょっと怖いですが、これから合戦が始まることを思えば当然の緊張感です。
最後はこちらの1ページ。
(『センゴク天正記』13巻より)
有田合戦において、千人弱の兵で四千の敵兵に立ち向かおうとする毛利元就。出陣に際して味方の兵に投げた言葉にしびれるワンシーンですが…
なんだか悲壮なはずの戦いが楽しそうに思えてきました。
これならついて行きたくなるかも!
とは言え「ざわっ」が別の意味に見えますね!
ちなみに毛利元就はこの後奇襲に成功し、有田合戦は"西の桶狭間"と呼ばれるようになります。
+ + +
『センゴク』の世界がより親しみやすくなりましたね! ありがとうJK!
ラストに向かって、ますます目が離せない『センゴク権兵衛』。今回の訳がお気に召しましたら、身近なJKに翻訳してもらいながら読むといいと思いまつ…。
※JK(翻訳者)によって、翻訳文に個性が顕れる場合がございます。それも含めてお楽しみください。
もちろん、原語バージョンの『センゴク』シリーズでしたら、コミックDAYSでいつでもお読みいただけます!
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【翻訳協力】
■高梨あいさん■
2001年4月24日生まれ(現在高校1年生)
ニコニコ動画にて歌い手、踊り手として活動中