原作者も思わず「ほ、本物だ…」 ドラマ放送中の『昭和元禄落語心中』雲田はるこ先生インタビュー!

「BE・LOVE」2018年22号(11/1刊)に掲載されている「ドラマ10 昭和元禄落語心中 原作者・雲田はるこ先生インタビュー」を完全掲載! その出来栄えに思わず涙した、雲田はるこ先生のあつ〜い思い、こもってます!

現在、好評放送中のドラマ『昭和元禄落語心中』。放送後、各所で絶賛されている本作ですが、「漫画原作」だということを皆さんはご存知でしょうか?

今年8月にコミックDAYSへ移籍した漫画誌「ITAN」で連載されていた『昭和元禄落語心中』は、第21回手塚治虫文化賞新生賞などの数々の漫画賞を受賞、二度のアニメ化を経験しており、多くのファンがこの実写ドラマ化に期待を膨らませていました。

本記事では、「BE・LOVE」2018年22号(11/1刊)に掲載されている「ドラマ10 昭和元禄落語心中 原作者・雲田はるこ先生インタビュー」を完全掲載! その出来栄えに思わず涙した、雲田はるこ先生のあつ〜い思い、こもってます!

まず、ドラマのお話が来たときはどのようなお気持ちでしたか?

雲田: 原作が全10巻というボリュームでしたので、連続ドラマという長い時間を使える形で実写化していただけることは、とても幸運だなと思いました。NHKさんのドラマは以前から大好きですし、生活感も風情もある昭和の風景の美術セットや着物も、NHKさんならではで、大変見応えがあるものになるだろうなと、お話をいただいたときは本当にうれしく思いました。キャストの皆さんも、岡田将生さんをはじめ、豪華なキャスティングになり、とてもうれしく思っています。

岡田さんが演じる八雲をはじめ、キャストの皆さんの演技と落語を実際に現場でご覧になって、いかがでしたか。

雲田: 岡田さんも竜星さんも山崎さんも、本当に役そのもので。衣装あわせから撮影に入るにつれて、見た目もですが顔つきなどが、どんどん菊さん、与太ちゃん、助六師匠になっていて、「ほ、本物だ……」と毎回感激しています。撮影現場は、浅草演芸ホールでの寄席の撮影を少しだけ拝見したのですが、「いつも落語を聞きにいく憧れの浅草演芸ホールに、八雲と与太郎がいる!」とうれしくなりました。

実際にドラマをご覧になっての感想を教えていただけますか?

雲田: 1話は放送の1週間まえに試写で観たのですが、泣いてしまって。「落語心中」の漫画と同じセリフがたくさんありますが、なんだか客観的に心に沁みて、知らない物語を観ているようでした。スタッフさんが作品の芯だけをきれいにくりぬいて、シンプルだけど骨太であり、落語の魅力も人物の魅力も、たっぷり伝わる構成にしてくださり、役者さんがご自分の言葉としてセリフを発してくださったからこそだと思います。落語シーンも、岡田さん、竜星さん、山崎さん皆さん、素晴らしくて……。特に岡田さんの八雲師匠の「鰍沢」は素晴らしかったです!

今後、ドラマで雲田さんご自身が楽しみなシーンを教えてください。

雲田: いくつか漫画とエピソードが入れ替わっている部分もあるのですが、どうして私もこうしなかったんだろう……と感激してしまった部分がたくさんあります(笑)。そちらも楽しみですし、漫画でも描いたシーンで言えば、菊比古さんと助六さんが二人でやる「野ざらし」のシーンは、岡田さん、山崎さんお二人での落語が聞ける豪華なシーンでもあると思いますので、とても楽しみです。

また、ゆずさんがドラマのために書き下ろしてくださった「マボロシ」も、ドラマで流れるのが楽しみです。美しくてさわやかな曲で、菊比古さんと助六さん、二人の関係性を描いているようでもあり、八雲師匠と小夏を描いているようでもあり、様々なキャラクターの心情をうたっている歌詞に感じられると思います。

最後に、読者にむけてメッセージをお願いします。

原作漫画からは、やむなく削られている要素も多いですが、ドラマとしては完璧な脚本だと思いますので、ドラマオリジナル作品と同じように楽しんでいただきたいと思っています。岡田さんはじめ、役者の皆さんが生身で演じる姿を観ることができるのは、ドラマならではの味わいだと思いますので、役者さんたちの演じるキャラクターを、落語を、ぜひ楽しんでいただければと思います。そして、落語のおもしろさ、噺家さんたちのかっこよさが、ドラマをきっかけに、より多くの方に伝わりますように。どうぞよろしくお願いいたします。

 

ドラマを見て本作に興味をもったそこのあなた!コミックDAYSで原作漫画も購入できますので、これを機にぜひ読んでみてくださいね

ドラマ10「昭和元禄落語心中」

NHK総合にて 毎週金曜 夜10時〜10時44分
再放送 翌火曜深夜1時30分〜2時14分

あらすじ:
昭和最後の大名人と謳われる有楽亭八雲。八雲にあこがれ、弟子となった与太郎に語る、今は亡き天才落語家・助六との相克の日々とは……!?

脚本:羽原大介
音楽:村松崇継
主題歌:ゆず「マボロシ」
出演:岡田将生(有楽亭八雲/菊比古 役) 竜星 涼(与太郎役) 成海璃子(小夏役) 大政 絢(みよ吉役)/山崎育三郎(有楽亭助六役) ほか

雲田先生と交流の深い、釣巻 和先生による「落語心中」ドラマ撮影ルポ漫画も掲載!

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