『スポットライト』第1巻発売記念! ミス青山学院大学に聞く! ミスコンのホントのトコロ

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大学の同級生の美少女・あやめの隠し撮りがバレて、彼女が出場するミスコンのカメラマンをすることになった斎藤。だけどあやめは実行委員の元貴のことが好きで……。波乱のミスコン模様を描く漫画『スポットライト』(「月刊アフタヌーン」連載中)。

単行本第1巻の発売を記念してアフタヌーン3月号に掲載される、青山学院大学ミスコン出場者の皆様へのインタビューを、コミックDAYSでも公開します!

しかも、コミックDAYS版では、内容増量&アフタヌーン誌面に入りきらなかったアザー写真を特別公開! アザー写真はこの記事の最後で一挙公開します!

 

【写真中央】ミス青山コンテスト2020グランプリ 池田有里紗(いけだ・ありさ)

青山学院大学経営学部経営学科3年。愛知県出身。Twitter:@agu_miss203 Instagram:@arisa.iked

【左】ミス青山コンテスト2020出場 森 英奈(もり・はな)

青山学院大学文学部英米文学科3年。東京都出身。Twitter:@agu_miss205 Instagram:@hana_mori18

【右】ミス青山コンテスト2019出場 ホルトえみり Twitter:@_emily0801 Instagram:@_emily0801

青山学院大学文学部英米文学科4年。愛知県出身。 

『スポットライト』第1巻発売中!!

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ミスコンは、顔面ナンバーワンを決めるコンテスト、ではない

池田 漫画で、ミスコンに出場するあやめが「顔面ナンバーワンを決めるコンテストでしょ」って実行委員の元貴に言うシーンがあったけど、正直、ミスコンに参加するまでは私もそう思ってました。ギラギラバチバチした世界なのかと。ファイナリストの5人とも、もっとライバル感が生まれるのかなあって。でも……。

 

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 一切、なかったよね。自分もそう思っていたから、外から見ている人たちがいわゆる“女の争い”的なことを想像しちゃうのもわかるんだけど、たぶん、当事者になってみないとわからない連帯がある。ていうか、めちゃくちゃ仲良かったよね!(笑)

 

ホルト 私たちの代も同じ。めっちゃ仲良くて、ミスコンが終わってからもみんなで集まってごはん食べたりしてる。私もね、最初は怖い世界なのかなあとか、仲良くできるかなあとか、不安だったんだけど……。

 

 約5カ月間、何度も集まって、たくさん話をして、一緒にイベントをつくりあげていくから、自然と仲間って感じになっていくんですよね。

 

池田 そう、仲間! 友達っていうよりも、一緒に戦う同志って感覚に近いかもしれない。英奈も言ってた女の争い的なのって、優勝するために相手を蹴落とし、自分だけが目立つようにアピールして……みたいな感じだと思うんですけど、それよりは支えあって一緒に頑張ろう、みたいな。

 

ホルト 私たちもそうで、仲良すぎて運営から「ライバルってこと、わかってる?」って注意されたくらい(笑)。でも、注意されたからっていきなり仲悪くなったりギスギスするのも変じゃないですか。だから、その話があった会議の帰り道にみんなで「今までどおりみんなでがんばるスタンスでいこう」って話しあいました。

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池田 優勝することより出場することに意義があるって思っていたのも大きいかもしれない。もちろん応援してくださってる皆様に感謝の気持ちを示すひとつの形として、優勝できたらいいなというのはあったけど、それは「自分が一番だって示したい」っていうのとはちがう。たぶんみんなも同じだったんじゃないのかな。

 

ホルト こんなこと言っちゃうと身もふたもないけど、「かわいい」「きれい」の基準ってけっきょく好みによって違うじゃないですか。自分が一番、なんて証明はどうやったってできないと思うんですよね。芸能界なんて容姿のすぐれた人だらけだけど、人気のある人が必ずしも飛びぬけて美人ってわけじゃない。ちょっとしたしぐさとか、笑い方とか、ファッションセンスとか、言葉選びとか……どうしたって、容姿以外の要素も判断基準になってきちゃうと思うんですよ。

 

 けっきょく、自分にとってなにが大事なのか、ってことなんですよね。ミスコンを通じて、価値観が浮き彫りになるっていうか。それは観ている人も、参加している私たちも同じ。自分にできないことができる人に憧れて、足りない部分に落ちこんだり、同じような人に共感して応援したくなったり、もうちょっと頑張ってみようかなって思ったり。

 

池田 ミスターも含めて、出場者全員、ほんとうに個性的だったよね。漫画で元貴が、顔面じゃなくて人間の総合力を競うコンテストなんだって言ってたけど、「容姿なんて関係ない!」じゃなくて、容姿も性格と同じように個性や才能の一部なんだと思います。……なんて、グランプリをとった私が言うと、いやな感じになっちゃうかもしれないけど、自分の努力が報われて、応援してくれたみなさんの期待に応えられた、その結果としてグランプリになれたことがうれしいんであって、勝ち抜いたって感覚はまったくないんです。

 

森 わかるよ。私も、ふりかえってみれば「出場してよかった」って気持ちしかない。終わった瞬間は「疲れたー!」って思ったけど(笑)。でも、あんなにひとつのことに夢中で打ち込んで頑張れた濃密な時間を得られたことが、本当に素敵だなって思う。最近は、いろいろ問題視されることも多いけど、成長する機会を与えてくれる場だと思うから、なくならないでほしいなあって。出場するまでは自分にも先入観があったから、そう言いたくなる気持ちもわかるんだけどね。

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ホルト 私も。容姿だけが重視されるような見え方がよくないんであって、さっきも言ったように、人の魅力ってそれだけで決めようと思って決まるものじゃないから、続けていける方法を考えていけないかなと思います。

 

 中傷だけはほんとによくないと思いますけどね。目立つイベントだからある程度は仕方ない、とはいえ、かわいくないとか、傷つくようなことを直接言ってくる人もけっこういたから。

 

池田 最初はキツかったよね。私も、傷つけられたことは今でも覚えてます。わりとポジティブな性格だと思ってたけど、数が増えるにつれて抱えきれなくなったりもして……みんなに相談することでラクになったし、だんだん「こんなに頑張ってるんだから、知らない人に何言われたって気にする必要ない」って思えるようにもなったけど。でも、そういう人がいるからといってコンテストを廃止する、っていうのも違うんじゃないかなあ、と。

  

SNSを通じて見えた、誰かのスゴさと、自分の強み

ホルト SNSを使うから、どうしてもイヤな反応が見えちゃいますよね。去年はコロナだったからか、これまで以上にみんながSNSの運用を頑張ってて、すごい! って思いました。私は、めちゃくちゃ苦手だったから……。

 

森 たしかに、こんなに出場者が毎日投稿し続ける代は初めてだって運営の代表からも言われました。

 

池田 オンラインでがんばるしかない、っていうのはありましたね。運営からは、3日に1回くらいは更新してね~くらいだったけど、みんなちゃんと毎日8時から10時のあいだに、絶対1回は投稿するし、英奈は毎日ライブ配信してたよね。本当に尊敬する。私も、頑張れば毎日続けられるはずだ! って思ってたけど、1週間で肌荒れしはじめて、ごはんも食べたくなくなって。「これはマズい!」とマネージャーに相談したら、「いったん休憩しよ!」って言われて。たぶん、慣れてないだけじゃなくて、向いてなかったんですよね。継続することは大事だけど、自分の適性をみきわめて、休憩をはさみながらゆるやかに頑張ることも必要なんだって知りました。

 

 わかる。(新田)さちかはめちゃくちゃ時間の使い方が上手だったじゃない? 効率的っていうか、SNSの更新して、ライブ配信して、なおかつちゃんと自分の時間もつくって心も体も休める、みたいな。ほんと、尊敬する。

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ホルト 私の代にも、首席とるくらい頭がよくて、まとめ上手な子がいたな。もうね、話しているだけで他の人とはちがうものを感じるの。みんな困ったことがあれば彼女を頼ったし、スケジュール管理とかも全部率先してやってくれて。彼女がリーダーとしてみんなを引っ張ってくれたから、ひとつにまとまれた感じもある。

 

 そういう、自分にはできないことができる人がそばにいると、あんなふうになれたらなあとは思うけど、ありちゃんの言うとおり、人には適性があるんだってことにも気づきますよね。頑張るにも限界があるから、自分のできることをできるペースでやるのが大事だなって。

 

池田 英奈は、SNSの運用がいちばん上手だなと私は見ていて思ってたよ。ファッションセンスは抜群だし、ダンスもできて、なんとけん玉もできちゃう! そういう自分をアピールする動画をいろいろアップしていてすごいなあって。

 

 ありがとう。ありちゃんこそ、写真の撮り方も撮られ方もすごく上手だから、いっぱいアドバイスもらったよね。他にも、素敵だなあと思うところはマネするようにしてた。人と自分を比較するって、悪いことばかりじゃなくて、自分の弱みも強みも気づけるのはいいことですよね。ホルトさんは、自分で気づいた強み、みたいなのはありますか?

 

ホルト どうかなあ。他の子としゃべってて、自分はもしかしたらメンタルが強いのかもおとは思った(笑)。細かいことはけっこうどうでもいい性格なんですよ。みんなが落ち込んだり傷ついたりしてることが自分の身に起きても気にしないっていうか……。

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池田 動じないってことですよね。肚がすわってるというか。すごい、カッコいい。

 

ホルト ポジティブっていうか、テキトウな性格なんだとも思うけど(笑)。

 

 そういう人がそばにいると、それだけで場が和むって言うか、励まされるんですよね。そっか、そんなに気にする必要ないんだ、ってラクになれる。

 

ホルト だといいんだけど。ずっとこういう性格で生きてきたから、改めて考えることもなかったけど、そっか、そういう強さもあるのかもしれないな、っていうのはミスコンを通じて気づけたことですね。

 

ミスコンに出場して、生活の質があがった!

池田 私、もともと太ってたので、ミスコンに出場するにあたって一気に体重を落としたんですよ。それもSNSと同じくらい、けっこう頑張ったことかも(笑)。終わった直後はだいぶ戻っちゃいましたけどね。我慢してたぶん、友だちがごはんに誘ってくれたりしたから。でもジム通いは続けられているし、今もほどよく頑張れてる気がする。

 

ホルト わかる……(笑)。それまではダイエットしようと思ってもなかなか実行できなかったし、ジムも「まあいっか」って行かなかったり、自分を甘やかすことが多かった。でもミスコンには本番までの期限があるから、なんとか頑張れたんですよね。その経験が自信につながったから、今も、ミスコン期間中ほどじゃないけど、続けられてます。

 

 似たような話になっちゃうけど、やっぱり「頑張る」ってことを実践できたのがミスコンに参加していちばんよかったことかなあと思っていて。「私、これだけ頑張ったから!」って胸を張れることって、そんなにないと思うんですよ。でも……小さなことだけど、どんなに疲れて眠くても寝る前のマッサージは5ヵ月間毎日ちゃんと続けられた、とか、写真を撮られるのにも慣れて、どんどん上手になっていったとか、優勝とかとはまたちがう、自分なりの成果が得られたのが、すごく大きかった。

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池田 毎日続けるって、よほどの目標がない限り、本当に難しいことだと思うんですよ。ホルトさんの言うとおり「まあいっか」ってサボっちゃう。でも、ミスコン中ってなんやかんやイベントがあって、まる1日オフってことが一度もなかった。インドア派の私が毎日7時とか8時とかに起きて、お化粧して出かけて、やるべきことをこなすっていう……そういう積み重ねが自然と内面の意識を変えてくれたような気がします。

 

ホルト 私は、授業に出るときもきれいな自分でいようって思うようになりました(笑)。けっこうギリギリまで寝ちゃうタイプで、とくに1限の授業はすっぴんにテキトウな格好で行くことも多かったんだけど、早起きしてちゃんと化粧するように。ただでさえ少人数クラスで顔を覚えられやすいのに、ミスコン出場者ってことでどうしても目立つから、「ルーズな子なんだな」って印象になるのもいやだなあ、って。前より、授業もマジメに聞くようになったりして(笑)。

 

池田 それ、すごくわかります。生活の質があがりましたよね(笑)。

 

 私もすっぴんでは出かけなくなったな……。見られてる、って意識は常に頭の片隅にあったから、30分でかけるだけでも、化粧して。でもそれって、人目を気にするっていうだけじゃなくて、自然と背筋が伸びるし、気分があがったりするんですよね。だらしない恰好をしているときは、やっぱり、気分もだらけているから(笑)。そういうのが、なくなったのは確かに大きいかも。

 

池田 出場を決めたとき、親から「表に立つってことは、いつどこで誰に見られて、話を聞かれているかわからないってことだよ」って言われました。そんな立場におかれるのは絶対無理!って思ったから、最初にお声がけいただいた2年生のときは出場を断ったんです。でも3年生になって、もう一度気持ちを見つめ直してみたときに、自分がどういう人か知ってみたい、そのきっかけになるんじゃないか、と思った。だから、プライベートはなくなるかもしれない覚悟を決めて、言葉遣いひとつも気をつけるようにしていました。いきなり変わるのはむりだけど、5ヵ月かけて続けたことだから、自然と変わっていけたのかもしれない。

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改めて感じた、本当の美しさと、なりたい自分

ホルト 私、全人類のなかでローラさんが誰より好きなんですけど、常に自分を高めようと努力し続けている姿に憧れるんですよね。「かわいいから何でも許される」みたいなひとは、やっぱり、あんまり好きじゃなくて。あれほどスタイルがよくて美しいのに、それでもまだできることを探して高みをめざす……。そういう女性になりたいなって、改めて思いました。

 

 私も、ミスコンを通じて改めて、「きれいな人」っていうのは、誰に対しても常に優しくて気配りの効いた人なんだなあと感じました。あとは、自分の意見をちゃんともっている人。私は流されやすいぶん、自分の意見をはっきり言えないことも多いけど、芯はもっていたいなと思ったし、それをひとに押しつけたり、自分と違う意見のひとを否定するのでもなく、受け止められるやわらかい女性になりたいな……って。

 

池田 私は、オードリー・ヘプバーンみたいな女性になりたいな。実際にどんな人だったかなんてもちろん知らないけれど、芯の強さと品格が、美しさのなかに滲みでてる。性格って見た目にもあらわれてくると思うから、内面も外見も両方磨いて、本当の意味で美しい人になりたい。

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ホルト そうだね。2人の言うとおり、みんなから愛される人って、やっぱりその人自身がまわりに優しくて思いやりをもって接しているなあと思う。さっき、場が和むって言ってもらえたけど、しゃべってると前向きになれるとか元気が出たとか言われるのが、私はいちばんうれしくて。この先、どんな仕事をして、どういう人生を歩むにしても、愛し愛されるあたたかいループを生み出せる人にもなりたい。と思えるようになったのは、ミスコンのおかげだと思います。

 

池田 たくさんの方に存在を知っていただけたことも含め、ミスコンで得たすべてが財産だと思うので、それを糧にできるような仕事もしていきたいですね。まだ、全然、具体的にはわからないですけど、応援してくださった方に少しでも恩返しをしたいですし、自分がたくさんの人たちに影響を受けてよい方向に変われたように、私も誰かに少しでも影響を与えられる人になりたいです。

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ここからはインタビュー時のアザー写真を一挙公開!

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単行本第1巻発売中の『スポットライト』ではついにヒロイン・あやめのミスコン活動がスタート! ぜひその活動を第1話から追いかけてみてください。

青山学院大学広告研究会が華やかなミスコンを作りあげる!

青山ミスコンを運営するのは、大学公認の学生団体「青山学院大学広告研究会」。ミスコンの在り方が変わっていく中で、単に容姿を競うのではなく、出場者の価値観や人間性を発信し、彼女たちの成長を共に楽しんでもらえる“ストーリーと共感のコンテスト”を目指して活動しています。

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取材・文:立花もも 写真:大坪尚人 取材協力:cosaji 平林保奈美