「ヤングマガジン」連載中の『MFゴースト』を描くしげの秀一先生と、「アフタヌーン」連載中の『トップウGP』を描く藤島康介先生。四輪のカナタと二輪の突風、レースで無類の速さを見せつける天才レーサーたちを描く二人のスペシャル対談が実現! レース漫画好きの皆さん、必見です!!
- …しげの秀一
1958年3月8日生まれ。新潟県出身。1981年「増刊少年マガジン」に掲載された『おれたち絶好調』でデビューし、1983年「週刊少年マガジン」で『バリバリ伝説』を連載。世にバイクブームをもたらした。さらに1995年「ヤングマガジン」連載の『頭文字D』は90年代半ば以降に起きた走り屋・ドリフトブームを牽引。モータースポーツ漫画の第一人者として広く知られ、現在は『頭文字D』の後継作と言える『MFゴースト』を「ヤングマガジン」で連載中。
- …藤島康介
1964年7月7日生まれ。東京都出身。1986年「モーニングパーティー増刊」連載の『逮捕しちゃうぞ』で漫画家として連載デビュー。1988年『アフタヌーン』で『ああっ女神さまっ』を連載し、大きなヒットを記録。また『サクラ大戦』や『テイルズ オブ』シリーズなどゲーム・アニメ作品のキャラクターデザインやイラストでも人気を博す。作中にマニアックなバイクやクルマを登場させることでも知られ、現在は本格バイクレース漫画『トップウGP』を「アフタヌーン」にて連載中。
ジャンルは違えど“天才レーサー”の描き方には共通したものが…?
――大好評連載中の『MFゴースト』と『トップウGP』ですが、それぞれが天才レーサーを主人公にされています。主人公のモデルになった選手などは存在するのでしょうか。
藤:突風には、特にモデルにした方とかはいないです。
し:カナタも同じです。特にイメージするような選手はいませんね。
藤:どちらかといえば、カナタと突風の2人はどこか似ている感じがします。
し:確かにそうかもしれない。周りの人間から見ていて、ちょっと何を考えているのかわからないところとかね。
――今回のような“天才”を描くときに、お二人が気をつけていることはあるんでしょうか。
藤:あまり感情を豊かに描かないようにしています。主人公って普通、喜怒哀楽が強いタイプにする場合が多いですが、今回は感情とは違う領域……レーサーがすごく集中して、すべてを把握したような状況で戦う領域の話を目指しているので。
――天才型の主人公は、読者から見るとやや感情移入がしづらそうに思えます。物語を作るうえで、そのことが“縛り”になったりはしないんですか?
藤:現実のレーサーって、遥か上の領域で戦っているせいで、一般の人から見るとレース中に何をしているかよくわからないですよね? 『トップウGP』は、そういう“とんでもない領域で戦っているすごさ”を描きたいと思っているので、むしろ読者の方には「わからないことをしている!」と感じてもらえたほうがいいかなと考えてます。
し:それ、わかります。僕が思うに天才型の主人公って、読者が感情移入できないほうがいいんですよ。主人公のしていることなんかは「凡人にはわからない」ぐらいでよくて、その代わりに周りに感情移入できるキャラクターを配置してあげれば大丈夫なんです。その人たちが「あいつ、わかんねー」って言っていると、読者はそっちに感情移入できますから。
――『MFゴースト』でいうと、セコンドをつとめるオガタさんのような?
し:そうです。『頭文字D』でもそういう人物がいろいろいましたよね。
藤:そうでないと、天才感が出ないんですよね。とはいえ、勝負の中では突風もやっぱり負けたくないといった感情は出していますし、あとは日常生活の部分でも読者の感情移入とか、共感は得られるかなと思っています。
▲そのサブキャラクター自体も非常に魅力的なのも両作品に共通していえること。彼らの今後の活躍にも期待したい。
『バリ伝』の先駆者・しげの先生が絶賛!『トップウGP』の緻密なレース表現
――藤島先生は、しげの先生の『バリバリ伝説』を連載時にリアルタイムで読むことができた世代だと思いますが、読んだ当時の感想はいかがでしたか?
藤:これまでに何度も読み返していますが、作中で描かれているレースの迫力に圧倒されますね。“オートバイ漫画の先を切り拓いている感”が、すごく感じられる作品です。
し:あの頃はオートバイレースを題材にした漫画がほとんどなかったから。けど、今もオートバイを使ってアクションさせることに前向きにトライする漫画家って、そんなに多くはいないのかな。
藤:ほとんどいないです。自分でもやってみてわかったんですが、こんなに大変だとは正直思っていませんでした。今になって、“ああ、これはみんなやりたがらないよな”と実感しています(笑)。
し:でも『トップウGP』は、これだけのレベルの描き込みで、今まで描いてこられてるわけですからね。僕から見てもあり得ないですよ。
――しげの先生は現在、四輪の公道レースを題材にした『MFゴースト』を連載中ですが、四輪と二輪では、描かれるものも大きく違うのでしょうか。
し:個人的な印象ですが、四輪レースのトップクラスだとクルマの性能で勝敗が98%くらい決まってしまうんです。でも二輪はライダーの頑張りでカバーできる領域が四輪よりだいぶ広い。突出したライダーがマシンの差を覆して勝つみたいなロマンが現実にあって、そこが魅力ですよね。
藤:ライダーごとにライディングスタイルが違って、速さもまたそれぞれ、みたいな部分がありますね。
し:見た目も、四輪ではクルマの形をしたものがそのまま走るけれど、二輪はレーサーとオートバイが一体になってひらひらとスリリングに舞う、物理の限界に挑戦するような華麗さがあるじゃないですか。『トップウGP』は、あの動きやスピード感を再現しているのがすごいですよ。
藤:ありがとうございます。でも『バリバリ伝説』を読み直していると、レースのスピード感とかの部分は、まだ全然描ききれていないなと感じています。
し:マンガ表現の時代が違うので、あの頃の話をするのはちょっと恥ずかしいんですけど(笑)。当時の僕は、人の目は錯覚するもので、細部を描いてしまうとスピード感が出ないと思っていたから、あえて描き込まない表現を使っていました。でも、藤島先生はそこをものすごいレベルでクリアしてますよね。
藤:クリアしているかどうか、自分では判断できないんですよね……。
し:できてますよ! 当時の僕は、ステッカーの文字をはっきり描かないことで、僕なりのスピード感を出したつもりでしたけど、『トップウGP』では細部までちゃんと描き込んで、それでも走っている感じが出せている。やっぱり藤島先生の絵描きとしての才能がすごいんですよ。
藤:そういってもらえるとありがたいです。
▲しげの先生も絶賛のレースシーン!「『トップウGP』では高速で走ってるときに、気流を霧みたいに処理した場面がありますよね。あれにもロマンを感じます。マシンの細部をきちっと描いたうえでスピード感も同時に出せていて、そこがかっこいい。これを描いちゃう人ってすげーな、って思いますよ。普通、走行シーンをこんなにうまく描けないですもん」
マシン、ウェア、サーキット…オートバイレース漫画は再現が大変!
――あれだけの描き込みをされるとなると、取材も大変そうです。
し:藤島先生が取材でどんなものを写真に撮ってるか、すごい興味あります。
藤:サーキットに行ったら“なんでも撮っておかないと!”という気持ちにはなります。
し:今のところ、筑波サーキットが中心ですよね。あそこも撮るべきところが多いから。コース目線の写真も撮られているんですか?
藤:実際に走ってもらって、そこを撮影したりはしています。でも、サーキットって時代でどんどん変わっていっちゃうんですよね。
し:ああ、看板とかそうゆうのも含めて。コースレイアウトも年ごとに変わったりするし。
藤:セーフティーカーなんかも変わるし。できるだけ最新のものを使いたいと頑張ってます。
し:でも、やっぱり一番大変なのはマシンですよね。作中で「この画面、どう描いているんだろう?」と不思議に思うシーンがいくつもあるんです。この方向から、この角度で車体を撮るのは難しいだろう、みたいな構図とか。
藤:実は、アシスタントに簡易的な3Dモデルを作ってもらって、それをグルグル回して姿勢を確認しているんです。おかげで、だいぶ楽になっています。
し:ああ、角度とかはそれで見られますね。サスペンションのところとか、細部のある程度の形も見られるのかな? でも、そこにライダーを乗っける作業がしんどくないですか?
藤:実は、そこがめちゃくちゃしんどいんです。ヘルメットも全員違いますし。
し:やっぱり。しかも形状とかも、ものすごく正確じゃないですか。マシンのカラーリングもぜんぜん違うし、今はさらにそれが複雑化しているから。僕があれを手で描いていたら、一生終わらないなあ。
藤:今後、マシンも増えていくし、これからがちょっと恐怖で。わりと途方に暮れてるんですよ。最終的には6社ぶんのレーサーとマシンを描き分ける必要がありますから。
し:6社か〜。とはいえ、突風がMotoGP(ロードレース世界選手権。二輪ロードレースの世界最高峰と呼ばれる)に行くのはおそらくもう少し先じゃないですか? そこまで描き続けるっていう、背負った荷物はすごいと思いますけど。
藤:最初にMotoGPを描いちゃいましたからね。今は「本当にこれやれるのか? 大丈夫なのか?」って、不安でいっぱいです。
▲『トップウGP』第1話で描かれていた、成長したトップウがMotoGPに出場している姿。マシンのカウルの複雑な形状もさることながら、ライディングスーツの細かなスポンサー名までびっしりと描き込まれている。マシン1台だけでもかなりの労力が必要な絵だ。
し:それを聞いて、ちょっとホッとしました(笑)。僕は「藤島先生って超人なのかな……」と思ってましたから。
藤:とんでもないです、今からもう、めちゃくちゃ心配です。
し:僕も以前、二輪レースを描けと言われた事があって、『バリバリ伝説2』みたいなものも考えたんですよ。でも今の僕は、藤島先生みたいにちゃんと描く自信はないんですよね。
藤:いやいや、そんなことないですよ。見てみたいです。
し:もし今から二輪レースを描くんだったら、連載はしないです。趣味で描いて、講談社とかは通さないでネットにアップするとか……。締め切りがあったらとてもじゃないけど描ききれなくて、逃げ出しちゃう(笑)。
レース中継から聞こえる実況のひと言が漫画の中に活かされている!
藤:でも、二輪のレーサーの方って本当に独特ですよね。レースの時は“怖さ”のスイッチを切っちゃってるというか……。取材で「事故とかで、レース中に足首が壊れちゃった場合どうします?」って質問したら「壊れても走れますよ?」って返事が来て、「あ、この人たちおかしいぞ」ってなったんですけど(笑)
し:確かに、二輪のレーサーの方はそういう感じかも(笑)。あとは、レース漫画を描いていると、中継で出てくる情報を聞くと忘れなくなりますね。
藤:以前と比べると、レース中継を見てるときの集中力が全然違います。
し:実況アナウンサーやスタッフの、ちょっとしたひと言からでもネタをつかもうとするようになったり。
藤:「あ、使える!」みたいな(笑)。あと、今は公式の車載カメラですごく多彩な画面が見られるので、それも参考になります。「マシンからはこう見えるんだ」って。
し:後方を写す車載カメラとか、漫画を描く身になるとありがたい。最近だと、リアカウルの裏側とか、サスペンションの動きがわかるカメラがあったり。特別勉強したくないのに、すごく勉強してしまう。
藤:勉強したくないってことはないですけど(笑)。「サスペンションがものすごく仕事をしてるんだな」とか、そういう部分に気付かせてもらえますね。
し:漫画を描くにあたっては、そういうマニアックな目線が大事ですよね。
藤:僕は、何が起こっているのかがわからないと描けないんです。レースの中で、何が起こっているのか一生懸命考えて、考えてもわからない部分は、実際のレーサーの方やメカニックのスタッフの方にいろいろ聞いて……。
し:やっぱり完璧主義なんですね。本当に、やると決めたらやりきる人というか。
藤:自分ではけっこうザルだと思ってるんですが、とにかく頑張るしかないですね。
『MFゴースト』は『頭文字D』でできなかったことを描く作品になる―
――でも、しげの先生も『MFゴースト』ではいろいろ取材や勉強をされていますよね?
し:藤島先生ほどではないですよ。「嫌だなー、勉強とかしたくないなー」と思いつつ、何かを読んで気になった記述とか、中継の言葉に対して「これ使える」と思ったらメモしていく。それの積み重ねです。藤島先生はメモとか取ります?
藤:そういうのは、覚えておく感じです。
し:僕は忘れちゃうのが怖いからメモしちゃう。思い出すのに時間がかかったりするのも嫌なのでiPhoneのメモ機能を使って。今の僕のiPhoneには、膨大なメモと、すべてのアイデア、プロットとかが詰め込んであるから、なくしたら『MFゴースト』は休載です(笑)。
藤:『MFゴースト』は今回もちゃんと86が主役のクルマですよね。
▲『MFゴースト』の主人公、カナタが駆るトヨタ「86」。『頭文字D』の主役マシンだった「スプリンタートレノ」(エンジン形式からAE86と呼ばれる)のコンセプトを受け継いだ、現在の国産スポーツカーを代表する存在でもある。そしてライバル車には世界の怪物スーパーカーが多数!
し:車種に関しては、いろいろ迷ったんですけどね。どっかで『頭文字D』とリンクさせたいと思ったんです。
藤:今回はいろいろなスーパーカーが出てきてますけど、何か理由があったんですか。
し:『頭文字D』でやれなかったことをやろうと思って始めたから。海外のスーパーカーもそのひとつです。『頭文字D』でやり残したことを最後にやって、もう四輪の漫画は誰もやれる余地をなくして、荒らしまくってやめようと(笑)。それくらいの気持ちで描いてます。
藤:『頭文字D』で見られなかったものが見られるって、わくわくしますね。
し:藤島先生にそう言ってもらえるのが、何よりも嬉しいかな。ちょこちょこ昔のキャラも使ってるんですけど。ズルいですよね、昔の名前でちょっと勝負しすぎじゃないのって(笑)。
藤:いやいや、やっぱり印象的なキャラクターの名前が出てくると嬉しいですもん。
▲電気自動車が主流となった近未来で開催される、過去のスポーツカーを使ったレースを描く『MFゴースト』。MFG統括本部長の上有史浩の口からは藤原拓海を始め、涼介、小柏など、様々な場面で『頭文字D』の登場人物と同一人物と思われる人々の名前が登場する。
し:そういうふうに素直に思ってもらえるように、いろいろバランスを取ってるつもりなんですけど、なかなか塩加減が難しくてね。
藤:すごくいいバランスだと思います。そういえばしげの先生、86には乗られたんですか?
し:これを描くにあたって2リッターのモデルを買いましたけど、やっぱり楽しいクルマですごく気に入ってます。
藤:ああ、新しいモデルのほうなんですね。楽しそうだなあ。
し:感覚でいうと、前のAE86のチューニングした1.6リッターのエンジンのほうが3速から全開にしたときに怖かったですね。サスペンションがいい加減だったんで、全開でバァンと踏むと、どこへ飛んでくかわからないような感覚でした(笑)
藤:最近は、そういう楽しそうな車も少なくなりましたね。
し:なかなかないですね。でも、今のハチロクも3速全開のときは緊張しますよ。やっぱりサスペンションがいい加減なので、今度はちょっといい足周りを入れようと思ってます。
藤:うーん、乗っている人の話を聞くと、めっちゃ86が欲しくなってきますね(笑)。
実際に乗っているからこそ語れる! 2人の止まらないクルマ談義
藤:乗って楽しいというと、ヨーロッパ車は緊張感のあるクルマが多いですよね。ルノーとかアルファロメオとか、あまり飛ばさなくてもハラハラするような。あのあたりの人たちはハラハラするのが楽しくて、スポーツカー乗っている部分がありますね。
し:向こうの人達は、確かにスポーツカーをわかっていますよね。一方で、少し値段の高い、例えばポルシェなんかだとバーンとアクセルを踏んでも、怖さはまるでなかったり。
藤:ポルシェは以前、964ターボ(ポルシェ911の’89〜93年モデル)に乗っていましたけど四輪駆動ですごく安定していて、ただただ速いという印象でした。
――ちょっとお聞きしたいんですが、お二人が今欲しいクルマはなんでしょうか?
し:その質問、魅力的なクルマがいろいろあるから困るんですよ(笑)。でも、先日改めて自問自答したときは、今あえてリアエンジンのポルシェがほしいなと思ったかなあ。
藤:最近のRR(リアエンジン・後輪駆動)だと、しつけがよくなってるんで、そんなに大変なことにはならないらしいですよ。僕は今ならアルピーヌA110かな。新しいやつ。
し:あれは僕もちょっと気になります。軽いらしいし、乗ってみるとかなりのパワーがあるように感じそうですね。
藤:アルミボディなんで、ぶつけても直せるなあ、と。カーボンボディだと、それこそ飛び石一個でも大変なことになりますからね。
し:ぶつけたりはしないでしょ?(笑) そういえば藤島先生は今何に乗っているんですか?
藤:今は2台あって、主にルノーのメガーヌRSに乗っています。あれも、モードを一番スポーツカー寄りにすると、どこに飛んでいくかわからない感じのクルマです(笑)。
し:メガーヌか、やんちゃで楽しそうじゃないですか。素敵ですねえ。
藤:聞いた話だと新しいアルファロメオ・ジュリアもそういう感じらしくて。ヨーロッパというか、ラテンの人たちは楽しくクルマに乗るということをわかってるから、ああいったクルマが生まれるんでしょうね。
どちらの作品もまだまだ物語の入り口!魅力的なキャラの活躍に乞うご期待!!
――しげの先生が『トップウGP』を読んで魅力を感じられたのはどの部分でしょうか。
し:マシンの描写の細かさもそうですけど、どのキャラクターも二輪レーサーらしい、絶対負けたくないっていう勝ち気がよく出ているところが、僕はすごく好きなんですよ。
藤:そういうメンタリティは現実のレースでもクローズアップされますし、やはり欠かせないと思います。ただ、実際のレーサーやメカニックがレースで何をしていて、何を考えているかは、取材しても全部がわかるわけではないんですよね。こちらは想像で描くしかないので、最初は「それはないよ」って言われる不安もあったんですが……。
し:そこはレースものを描くうえで、僕も悩んだところですね。でも結局、僕らはレース関係者の代弁者ではないし、漫画家としてかっこいい方を選んで読者に納得してもらえればいいと思えるようになった。藤島先生は、これだけの描き込みで連載が続いてるってだけでも快挙ですよ。
藤:そうですね。僕も最近はシンプルに、「かっこよく描けていればいいのかな」と思うようにしています。
し:あとは……僕、真音ちゃんが大好きで。ほんとにめちゃめちゃいいですよね、この娘。
藤:この中で、今、真音ちゃんが一番速いですからね。
▲突風をレーサーの道へと引き込んだ姉のような存在の新井真音と、カナタの下宿先の一人娘でMFGのレースクイーンの一人でもある西園寺恋。それぞれのヒロインたちが、天才レーサーたちをどう翻弄(?)していくのかも、両作品の見どころだ。
し:女性キャラでこれだけ速い存在がひとりいて、それがストーリーの中で燦然と輝いてる。話が締まりますよね。ほんとに魅力的な位置にいいキャラクターがいる漫画だと思います。
藤:いずれは突風が追い越さなきゃいけないんですけどね。
し:それはもうしばらく後でもいいんじゃないですか? 単なるファンの希望ですけど(笑)
藤:『MFゴースト』も、ライバルたちはもちろん、ヒロインの恋とか序盤からいいキャラクターがどんどん出てきてますよね。彼らが今後どう動くのか、とても楽しみです。
し:今のところはまだ2巻ぶんしか書いてないですから。キャラの細かい造形が出てくるのはこれからですし、徐々に行きますよ。
藤:これから、キャラクターの面白いところがいっぱい出てくるだろうなってわくわくしています。
数々の名作を生み出し、レース漫画のトップを今なお走り続けるしげの先生と、覚悟を決めて二輪ロードレースの世界と向き合い、緻密なレースシーンを描いている藤島先生。多彩なマシンやスピードの表現など、描くだけでも大変なレース作品に意欲的に取り組むお二人だけに、苦労話の中にもクルマ&オートバイへの“愛”が存分に語られたスペシャルな対談となりました。
クルマやバイク、そしてそれを操る天才レーサーたちのカッコよさが堪能できる『MFゴースト』と『トップウGP』。レース好きならずとも読めば熱くなる両作品、「コミックDAYS」でも配信中ですので、ぜひ第1話からご覧ください!