『傘寿まり子』完結記念!おざわゆき先生インタビュー!

7月13日(火)に最終16巻が発売となる『傘寿まり子』。  完結を記念して、コミックDAYSでは 1~3巻無料&4~10巻1冊10円(~7月19日)に!! さらに、 20日以降、3巻まで恒久チケット化!! くわえて、最後の原稿を描き上げてすぐのおざわ先生の心境を伺った、スペシャルインタビューも掲載!

f:id:comicdays_team:20210709112724j:plain

7月13日(火)に最終16巻が発売となる『傘寿まり子』。 

完結を記念して、コミックDAYSでは

1~3巻無料&4~10巻1冊10円(~7月19日)に!!

さらに、

20日以降、3巻まで恒久チケット化!!

みなさま、是非ご覧になってみてくださいね。

 

くわえて今回は、最後の原稿を描き上げてすぐのおざわ先生の心境を伺った、スペシャルインタビューも掲載!

※このインタビューはBE・LOVE2021年7月号に掲載されたものです。

おざわゆき先生スペシャルインタビュー

――5年間の連載お疲れ様でした! 最終話を描き終えた瞬間はいかがでしたか?

おざわ 終わったっていう実感はまるでなかったですね。私は、これまで自分のキャラに思い入れを持つということがあまりなかったんですよ。まずストーリーがあって、ストーリーに合わせてキャラがいるというか。キャラに感情移入とかはまったくなくて。でもそれが「傘寿まり子」を描き始めたら、まり子が私とは違う意思を持ってそこに存在してしまったんです。だから、その人がいなくなるというのが、にわかに信じられなかったですね。

 

――「傘寿まり子」を描き始めたきっかけを教えてください。

おざわ 「傘寿まり子」の前に描いていた「あとかたの街」のヒロイン・あいちゃんは、私の母がモデルなんです。そのあいちゃんが、今の母の年齢ぐらいになったらどんなおばあちゃんになっているのかなって考えたのがきっかけですね。最初はまり子の年齢を70歳にしようと思ったんですが、70歳だと誰か別の方が描いているかもしれないと思って、80歳にしました。ちょうど母親が80歳だったということもありましたし、それまでのおばあちゃん像らしくないカジュアルな人も増えていたので、これなら描けるかなって。

 

――いろんなエピソードがありましたが、テーマはどのように考えていましたか?

おざわ ニュースなどで高齢者の問題などを見て、それをテーマにできないかなって考えることが多かったですね。例えば道路の逆走とかは、最初のころから描きたいって言ってました。ゴミ屋敷とかシャッター商店街に関しては、もともと私が好きなテーマだからというのもあります。ゴミ屋敷を片付けて綺麗になっていく様を見るのが好きなんですよ。

実際にストーリーを考えるときは、例えば、まり子のそばにすごい作家さんを出したいってなったら、その人はどんな人だったら面白いかを考えます。ゴミ屋敷に住んでたら面白くないかとか。あとは、例えばシャッター商店街のときは、そこに住んでいる人はどんな気持ちなんだろう、なんでこうなったんだろうって考えていくんです。自分が体験したことがないような状況を設定して、そこに何を投入したら状況が変わるのか、というのを考えるのが楽しかったですね。だから高齢者問題を見つけては、まり子だったらどうするかなって毎回考えていました。

 

――印象に残っているエピソード、大変だったエピソードはありますか?

おざわ いろいろありすぎて(笑)。そうですねー、1話を描いたときはとりあえず家出してみようという感じで、あまり後のことを考えてなかったんですね。最終的な段階になるまではずっと家出をさせておきたいとか、いろんな人に出会えたらいいなーくらいで。だから、まり子がウェブで書き始めて話が転がり出すまでは大変でしたね。

描いていて楽しかったのは、まり子がノリノリになっているときがすごく好きで。ゲームの中でちえぞうさんと出会うシーンとかすごく好きだなって思います。まり子とくらはらさんが蝶子先生の覆面作家になって競うシーンも、3話分描きましたけど、あの流れは自分でもすごく好きですね。まり子が自撮りを始める回も好きかな。

あと、があこはまり子が飼い続けるつもりじゃなかったんですけど、最終的に飼うことになって。一度ペットを預かったら可愛くて自分で飼い始めるってあるじゃないですか。漫画で描いていても起こるんですから、動物ってすごいなって(笑)。そばに置き続けたいって思うのも初めてでした。描いていて可愛いって感じるキャラをたくさん生み出せたので、みんなもそう思っていてくれたら嬉しいなって思います。

 

――描いていて楽しいキャラ、難しいキャラはいますか?

おざわ 楽しいのは蝶子先生ですね。まり子のキャラを考えたとき、最初は蝶子先生みたいな感じだったんです。なんでもできてしまうような、ボスキャラみたいな。でも、それだとキャラが強すぎてエピソードが続かなくて。その後まり子は今のようなキャラになったんですが、やっぱり蝶子先生は描いていてすごく楽しいですね。あとはちえぞうさんとか。オーナーとかの強いおばさんも描いていて楽しいですね。

難しいというか、描くのが面倒くさいのは佐野さんですね。あと、サイトーさんとかガリオとかの若い男性キャラは描くのが難しかったです。すごい練習しました。でも、最後に大勢のキャラが登場するシーンがあるんですが、それを描いたときによくやったな私って。これだけ人がいても全部描き分けられてるって。

 

――名前をつけないキャラが多いのは理由があるんですか?

おざわ つけないこと多いですね。キャラに名前をつけるのがすごく面倒くさいんですよ。オーナーとか編集長も最後までオーナーと編集長。通称で一度呼ばれたら、最後までそのままなんですよ。同人誌時代からずっとそう。この人だとわかれば、名前いらなくないかな? って思っちゃうんですよ。皆さんちゃんと考えて名前つけててすごいですよね。私は目についた名前とか適当につけちゃうので、まわりの人の名前とかどんどん使っちゃう。本とかニュースサイトのタイトルとか、いかにもありそうな固有名詞を考えるのは好きなんです。でも人の名前は苦手なんですよね。

 

――最後にファンの方にメッセージをお願いします。

おざわ 「傘寿まり子」という作品を通して、元気をもらったと言ってくださる方がすごく多くて。私も描いていてすごく楽しかったですし、元気をもらっていました。この思いを読者の方と共有できたというのは、本当に素晴らしい時間だったなと思います。こんなに幸せな作品はないなって。そして、私が伝えたいことをちゃんと受け止めてくれる。こんなに嬉しいことはありませんでした。最後まで一緒に走ってくださった読者の方には感謝の言葉しかありません。次作も、読んだ後に「もうちょっとやってみようかな」「頑張ってみようかな」って思えるような作品を描けたらいいなって思っています。

 

――ありがとうございました!

 

↓サクサク読みやすいアプリのDLは↓