「死にたい童貞は読んだほうがいい」(by武田スーパー)『はだかで恋を語る仲』1巻発売記念!『だれでも抱けるキミが好き』の武田スーパー氏にレビューインタビュー!

未だ惚れている幼なじみの女子と一緒の湯船に入り、彼女の性体験を聞かされる…!? 鳩野マメ氏が「コミックDAYS」で連載中の全男子震撼・新感覚銭湯ラブコメ『はだかで恋を語る仲』(以下『はだ恋』)のコミックス1巻が、2月12日(水)に発売! それを記念して「ヤングマガジン」で大好評連載中の『だれでも抱けるキミが好き』(以下『だれ抱け』)作者である武田スーパー氏にレビューインタビューを敢行! この企画を熱望した『はだ恋』担当編集Tと、『だれ抱け』担当編集Sを交えつつ、新世代ヤリ◯ンラブコメの魅力が語られる!?

未だ惚れている幼なじみの女子と一緒の湯船に入り、彼女の性体験を聞かされる…!? 鳩野マメ氏が「コミックDAYS」で連載中の全男子震撼・新感覚銭湯ラブコメ『はだかで恋を語る仲』(以下『はだ恋』)のコミックス1巻が、2月12日(水)に発売! それを記念して「ヤングマガジン」で大好評連載中の『だれでも抱けるキミが好き』(以下『だれ抱け』)作者である武田スーパー氏にレビューインタビューを敢行! この企画を熱望した『はだ恋』担当編集Tと、『だれ抱け』担当編集Sを交えつつ、新世代ヤリ◯ンラブコメの魅力が語られる!?

 

 

「ガチ無収入の年収ゼロ」からヤンマガのヒット作家に

 

T: 今回の企画は『はだ恋』コミックス発売記念で企画を考える中で「今現在「裸」を描いてる漫画家さんに読んで感想をもらおう! 一番勢いがある裸を描いてるのは誰だ?」と思いつき、僕自身がファンでもある「武田スーパーさんしかいない!」と思いまして。

武田: ありがとうございます。

T: 『はだ恋』のお話の前に、まず武田さんのご経歴についてお聞きします。連載デビューは2023年スタートの『だれ抱け』ですが、漫画そのものを描き始めたのはいつ頃だったんでしょうか。

武田: 今36歳ですが、漫画を描き始めたのは24歳で12年前ですね。それまでにも趣味で絵を描いていたんですが、漫画は描いたことがありませんでした。当時、フリーターでフラフラしてたんですけど、このままじゃまずいと思って「どうせなら絵を描く仕事をしたい」と漫画を描き始めたんです。

T: 最初は講談社でなく、他社さんに作品を持ち込まれたとか。

武田: 某社に持ち込みをしたところ担当がついて、読み切りで賞もいただきました。そのときにアシスタント先として『リクドウ』の松原利光先生にお世話になりました。1年ほどして、自分の漫画を描く時間を作るためにアシスタントをやめたんですが、うまくいかなくて…。結局アシスタントに戻り、今ヤングマガジンで『満州アヘンスクワッド』を連載されている鹿子先生にお世話になりました。でも鹿子先生が当時やっていた連載が終わって無職になってしまい…(笑)。それから2年ぐらいは本当にギリギリの生活をしていて、かなりメンタルがヤバくなってましたね。

S: 当時の月収が…どのぐらいでしたっけ?

武田: ゼロですよ。ガチ無収入の年収ゼロ(笑)。アシスタントをしていたときの貯金でやりくりしていましたが、一人暮らしで実家から仕送りなんかもなく、貯金が残り少なくなって「あー、もう本当にヤバい」となって。このままホームレスになるんじゃないかと思ったりもしました。そのときのかなり追い詰められた状態で描いた『くらし』をヤングマガジンに応募したところ、賞をもらって講談社の担当さんがついたんです。

くらし - 武田スーパー / くらし | コミックDAYS

『くらし』は鬱屈とした青年を描き、『だれ抱け』とはまったく違う雰囲気!

T: でも、『くらし』で賞を取ったときについた担当は、Sではなかったんですよね?

武田: Sさんは、僕が完全に個人的な趣味でネットにアップしたエロ漫画を見てお話をくれたんです(笑)。それが『だれ抱け』の原型になった漫画でした。

T: 『くらし』は『だれ抱け』とはかなり作風が違う短編ですが、その頃はどんなところに住まれてたんですか?

武田: 練馬区の6畳ひと間、トイレ共同風呂なし築50年くらいのアパートの2階でした。家賃2万8000円だったかな。最終的にはもう取り壊すと言われて、出ていかなきゃならなくなったんですけど。銭湯に行く金もなかったんで、流しにホースをつないで大きな収納ボックスみたいな入れ物に入って、ホースの水を「ジョロジョロ…」とかぶって。

S: お湯も出なかったんだっけ?

武田: ガスを引いてなかったのでお湯が沸かせなかったんです。だから真冬でも水で。当時、池袋のバッティングセンターでアルバイトしていたんですけど、自転車を思い切り漕いで体を温めた状態で家に帰って、水でガーッみたいな…。そうやって身体を温めた状態じゃないと、寒さでヤられちゃうから(笑)。だから、『くらし』で描かれている主人公のアパートでの行動はかなりノンフィクションです。さすがにあんなヤバい隣人はいなかったですけど。

実体験を元に描かれた入浴シーン!

T: ちなみに、最初に他社で賞をもらった作品はどんな内容だったんでしょうか。

武田: 童貞の小説家が主人公の漫画でしたね。次が新入社員を主人公にしたやつで、これも童貞(笑)。実は最初のころにヤングマガジンにも持ち込みに行ったんですけど、そのときは担当がつかなかったんです。

S: いろいろ経験されて講談社に戻ってきてもらえた(笑)。

T: 武田さんに声をかけた理由は?

S: ネットでオカズを探していたときに、たまたま『だれ抱け』のベースになった漫画を見つけたんですけど…(笑)。ヒロインがかわいいのは当然として、とにかく主人公がよかった。武田さんに最初に連絡した際のメールにも書きましたが、普通のエロ漫画によくあるテンプレート的な感じじゃない生き生きした主人公で、これなら一般誌でもいけるんじゃないかと。まあ、そのメールに返事はもらえなかったんですけどね(笑)。

武田: 「もうヤンマガに担当がいるのに、別のヤンマガの編集者からメールが来るってどういうこと?」と思って…とりあえず無視したんですよね(笑)。

S: そのときは『くらし』の作家さんだとは知らずに「返事来なかったなー」と思っていたんですが、数ヵ月後に「ちばてつや賞」の粗読みで原稿を見ていたら「見たことある絵があるぞ?」となって。

T: 読み切りの『1520』ですね。

1520 - 武田スーパー / 【コミックDAYS読み切り】1520 | コミックDAYS

劇的な展開でページをめくる手が止められない『1520』!

S: そこで、すでにヤンマガに担当がいるのを知ったんです。で、担当に「この人、絶対エロ書かせたほうがいいですよ」と話したら「じゃあ、Sさん担当やります?」と言われて。

T: 武田さんは、担当交代の話が来てどう思われたんですか?

武田: Sさんから最初にもらったメールの熱量がすごかったんですよね。まあ、それを無視してたわけですけど(笑)。でも、けっこう時間が経っていたのにまた声をかけてくれたのは、すごくやりたいと思ってもらえているからだろうし「そんなに言ってくれるなら、お願いします」という気持ちでした。

T: 最初の打ち合わせのことは覚えていますか?

武田: なんか軽薄そうな人がきたなと(笑)。

S: YouTubeの「バキ童」チャンネルで『だれ抱け』の回があって、担当として出演したときは、自分でも軽薄っぽいなと思ったんですけど。初対面の武田さんの印象も変わらなかったかあ(笑)。

www.youtube.com

武田: よく言えば、軽やかな人だなと思いました(笑)。あと、エロに対する情熱は最初からすごかったです。

T: 『だれ抱け』を連載にするにあたって、決定までの流れはスムーズでしたか?

S: 最初に会議に出したネームは、形は変わらないけれどもう少しふざけた感じのやつで、それは通らなかったんですよね。すぐ修正して、次に出したやつで通りました。

T: どこを修正したんですか?

S: 最初のネームは、エロギャグというよりはアガワさんがかわいいことだけに特化させたみたいな感じでした。「とあること」にリコーダーを使ったりとか、青年誌でもちょっと厳しい描写が入っていたりもして…。

武田: とあること(笑)。僕はそっちのほうが気に入っていて、これはいいぞ! これは行ったぞ! と思ってたんですが(笑)。

T: 超えちゃいけないラインを若干越えていた(笑)。

武田: まあ、ちょっとギャグに寄りすぎて青春感が減ってしまっていたかなと思います。

 

 

フキダシの下に「いろいろ描いてます」!?

 

T: 武田さんは、もともとラブコメ作品が好きだったりしたんでしょうか。

武田: ラブコメ好きというよりは、エロが好きって感じです。『だれ抱け』を描くうえで一番影響を受けたのは、江川達也先生の『東京大学物語』でしょうか。あれはかなり影響を受けていて、いちばん好きですね。

T: なるほど、言われてみると納得です。話は変わりますが、目次コメントで「死にそう」「ヤバい」みたいなことをよく書かれている印象があって、大丈夫でしょうか。

武田: 全然大丈夫じゃないです。絵が荒れてるときは、僕が本当にヤバいときです(笑)。

T: 武田さんとSの間で、ヤンマガで描くうえでここまでならOK、みたいな表現の線引きはどう決めてるんですか?

武田: 僕はもう「描いていいよね?」と思ってるんですが、「それはダメ」みたいなことを言われるんですよ。

T: まあ、そこは会社として描いちゃダメなモノもありますからね(笑)。

武田: ちょっと前までは僕が勝手にチ◯コ描いて、Sさんから「ここ修正してください」と言われて、シブシブ直すみたいな感じでしたね。連載のごく初期のころは、「まあ、一般紙だし描いちゃダメだろうな」と思ってはいたんですが、最近はなんかチ◯コが描けないことにイライラしてきて(笑)。

T: 描けないフラストレーションが(笑)。

武田: 「エロ漫画を描いてるのに、なんでチ◯コもマ◯コも描けないのか!」というイライラが募ってくるんです(笑)。それで最近は、「もう描いてやろ!」ってなって。先日やっていた原稿もがっつり描いて、それをフキダシで隠しました(笑)。

S: 思いっきり毛が出てましたもんね(笑)。

武田: だから、あの吹き出しの下はちゃんと描いてるし、ちゃんとトーンも貼って、ハイライトも入れて、いろんな汁も描いてます。

T: なるほど(笑)。やっぱり、作家さんとしては描きたくなるものなのでしょうか?

武田: 自分に関して言えば、チ◯コ描くためにエロ漫画描いてるみたいなとこがありますから。描けないのは、手足を縛られてるような状態です。

T: 拘束感がある?

武田: めちゃめちゃあります。だから『だれ抱け』はSさんと相談して、描いていいからフキダシで隠すことになりました。「最初から描かないつもりで描く」のと「描いてから隠す」のではやっぱり違うので、隠すことになるとしても、まずは描いたほうがいいだろうと。

T: チ◯コがあるなしで構図とか、画面のノリみたいなものも違ってきそうですよね。

武田: 『だれ抱け』でエロシーンの構図が凝っていると言ってもらえることがあるんですが、それはたぶん「局部を描かずにエロくするにはどうしよう?」という試行錯誤が結果として出てるんじゃないかと思っています。今後は「出さないけど描く」ので、構図に関してはまた変わっていくかもしれない。

半井: マンガの中でご自身の性癖が出てるなあと感じる部分はありますか?

武田: 自分はキスシーンが好きで。キスシーンなら隠したりする必要もなく全部ちゃんと描けるので、そこで性癖は多めに出てると思います。先日、「週刊少年マガジン」でむちまろ先生が連載中の『生徒会にも穴はある!』のコラボ漫画を描かせてもらいましたが、それもキスシーンのみで4ページぐらい描いて。「もういいだろ、描いていいだろ」と。(笑)。

『だれ抱け』こだわりのキスシーン!

T: キスシーンを描くときにこだわる部分はどこですか?

武田: 構図がどうしても横から撮った形になりがちなので、表情や角度で、できる限りバリエーションが出るように工夫しています。同人誌を描いていた頃は、キスシーンが好きすぎてやたらヨダレを描きすぎていた時期がありましたね。

T: 確かに、汁気が多いとエロいイメージはありますね。

武田: でも、以前は「汁がいっぱいあるほうがいいだろう」と思ってたんですが、冷静に描いたものを見直すと「いや、これちょっと多すぎて逆にエロさが減ってないか?」と感じるようにもなってきて「ああ、過ぎたるは及ばざるがごとしだな」と。だから、最近はちょっと抑えめにしてる感はあります。

T: Sは武田さんから上がってくるものをチェックしていてどうですか?

S: 本当に正直にしか言えないので、刺さった部分があったら本当にそこはよかったと伝えている感じですかね。特に、武田さんのセリフが好きなので「このセリフがいい」というのは、いつも伝えている気がします。

武田: 気に入ったシーンに対して「ここ、いいですね」とは言ってくれるけど、あまり褒めてくれる感じはしないかも。

T: ちなみにS的ベストのセリフは?

S: 2話の「童貞じゃなくなっちゃうね」。あれはカンペキだった(笑)。

T: 武田さんとSで、それぞれ違うポイントを愛でてる感じがして、すごくいいコンビだなと思います。ある種、編集者と作家かくあるべしみたいな関係ですね。

S: いろいろ苦労もしてますけど(笑)。

 

 

「この設定があったか!」と思わされた『はだ恋』

 

T: だいぶ本題から離れてしまいましたが、ここからは『はだかで恋を語る仲』のお話を…。読んでみて、率直にいかがでしたか?

武田: いやあ、読んでて苦しかったです。主人公と一緒に血の涙を流しつつ「うわーっ!」っていう(笑)。『だれ抱け』のアガワさんはギャルで、見た目がもういかにもヤリ◯ンですけど『はだ恋』のヒロインの真結は清純そうで真面目そうな、元気ないい子みたいな感じじゃないですか。でも、めっちゃヤッてる(笑)。「ああ、この子がすげえヤッてるのか…」みたいなツラさがめっちゃある。いわゆるNTR(※寝取り/寝取られ)とか、BSS(※僕の方が先に好きだったのに)な感じが強くて…。「ああぁぁぁ!」って(笑)。

『はだ恋』の和樹、魂の叫び!

T: そこを意識して作っているので、すごくうれしい感想です!

武田: 主人公の和樹は真結が大好きでセックスしたいし、たぶんやろうと言えばいつでもできるんだけど、実際にセックスして相性が合わなかったらもう付き合えない、という状況もうまいですよね。「ヤりたいけど、ヤッたら終わっちゃうかもしれないから、できない」という設定には「なるほど、これがあったか!」と思いました。

T: ちなみにコミックス1巻の中では明言していないんですけど、和樹は童貞です。

武田: はいはい。僕は勝手に童貞だと思って読んでました(笑)。

T: 知ったかぶってみたり強がってみたり、童貞っぽい行動は全部やっているので、読んでいる方もわかっていただけているだろうと思ってます。

武田: 和樹も応援したくなる童貞でいいですよね。僕が童貞主人公に求めるものに「99%くらいは僕らと一緒であってほしいけど、残り1%は僕らにできないことをしてほしい」というのがあるんです。第8話で真結の元カレが登場して、真結と2人で話すからお前どっか行けと言われたときに、和樹が勇気を出してガッといくじゃないですか。あそこで「こいつは信頼できるな!」と思いました。あそこで行ってくれる主人公だから応援したくなる。あそこで引っ込んじゃうやつだったら、こいつダメだってなっちゃう気がします。

武田スーパーさんお気に入りのシーン!

武田: 一方で、ヒロインの真結は読んでいてホントにツラい……(笑)。セフレとセックスした話を笑顔で和樹にするじゃないですか。そこで「もう聞きたくねえ! もう話すのをやめてくれ!」と思ってしまう。かわいいからこそ、もう聞きたくない感じですね。ツラい…。

S: 武田さんの中で、アガワさんと真結はどう違うんですか?

武田: やっぱり、見た目からギャルと清楚系の違いがありますよね。ギャルがヤリ◯ンなのは「お、おう、そうだよね」という感じで受け入れることができて、アガワさんも「ああ、やってるやってる」という…(笑)。でも、真結がヤリ◯ンなのは「ちょ…ちょっと待ってくれ! 落ち着かせてくれ!」となってしまうというか。

T: 偶像性みたいな話ですかね。

武田: しかも、すごく屈託なく話すじゃないですか。それが本当にもう、ツラい。

真結は屈託なく性体験を話すタイプの女の子です!

T: 一応、真結はヤリ◯ンの女の子としては描かないようにしていて、あくまでもいろいろ求めていった結果、たくさん性体験をしているだけなんですよね。

武田: 好奇心旺盛な感じ。でもツラい。1巻のおまけで、真結がヤッたメガネとマッチョのその後があるんですけどもう、こいつらが幸せになってるところなんか見たくなくて「お前らは不幸になれ!」としか思えなかった(笑)。その後に元カレまで出てきてどうなっていくんだろうと……本当に展開が想像できないですよね。

T: 僕も鳩野さんも全然わからなくて、四苦八苦しています(笑)。

武田: あとはいち作家としては、反省しながら読んだ部分もあって。この漫画は『だれ抱け』みたいに途中で設定が崩れたり、キャラがぶっ壊れたりしないでちゃんと描いてほしいなと(笑)。今のところ、すごくおもしろいですから。

 

 

 

鳩野さんは、心に童貞を飼っている

 

T: 『はだ恋』はセックス自体でなく、人それぞれのセックスのスタイルみたいなものを描いているつもりでもあるんですが、そのアプローチについてはどう思われましたか?

武田: そこは考え方が詳しく描かれていて、こういう人もいるんだ。こういうやり方があって、セックスについてこう考えている人もいるんだろうなと思いました。実際、鳩野先生がどう考えているのかはわかりませんが、リアリティがありますよね。最初のメガネの塾講師の、テストみたいなセックスへのスタンスとか、「いるかもな、こういう人」と思いました。

武田: 鳩野先生は女性作家さんだと思いますが、、すごく「童貞」が描けてるなとも感じました。これは、心に童貞を飼ってる人だなと…(笑)。

T: 心に童貞を飼っている。いいコメントいただきました(笑)

武田: あ、銭湯のリアルな描写がすごくちゃんとしているなと思っていたんですが、コミックスのおまけに実家が銭湯だと描いてあって「それでか!」となったのも印象に残りました。

T: 実家の家業だけに、銭湯の描写は大事にされていますね(笑)。

武田: そういったこだわりも、リアリティがあってよかったです。

T: 武田さんにとってのキスシーンのように、『はだ恋』でここは鳩野さんのこだわりじゃないかと感じたところはありましたか?

武田: 風呂上がりに、服を着た真結の脇が見えたり、汗が垂れたりしているのを見て和樹がエロさを感じる場面があって。そのシーンがすごくよかったんですよね。そこで作者さんはこういうのが好きなのかな、とは感じましたね。

担当Tも初めてネームで読んだときに「なんかエロい」と感じました!

T: なるほど。ちなみに、武田さんは好きな女の子と一緒に風呂に入りながら相手の性体験を聞かされたらどうします?

武田: たぶん「へ~、そうなんだ」とか全然余裕みたいな雰囲気を醸し出しつつ、「そんな興味ないけど」みたいな感じでスカしちゃうと思います。「全然フツーだけど?」とか「大変だねー」とか、こっちも経験あるふうな感じで…全然童貞なのに(笑)。絶対そういう感じになると思う。カッコつけちゃって、和樹みたいにピュアに自分の気持ちは言えないでしょうね。

T: そろそろ終わりとなりますが、武田さんが『はだ恋』を他の人におすすめするときのひと言をお願いできますか。

武田: 全童貞読んだほうがいい…? いや「死にたい童貞は読んだほうがいい」ですかね(笑)

T: 童貞を殺しに行くという編集意図にぴったりな言葉を…。自称「脳破壊ラブコメ」としてうれしいキャッチコピーです。

武田: 情緒を壊しに来るという意味では、本当に特化したマンガだと思いますよ(笑)。

S: 情緒破壊特化漫画というと…「これ読んで死ね」?(笑)

T: なんだか、どこかで聞いたことあるフレーズだけど(笑)。最後にもうひとつ、作者の鳩野さんに向けてもエールをいただけるとうれしいんですが…。

武田: ちゃんとブレずに2人のお話を進めていってほしいです。「俺みたいになるな!」という意味で(笑)。漫画も煮詰まってくると、その場の勢いでヘンな感じになってしまうこともありますが、自分を見失いそうになったらいったん落ち着いて深呼吸して。その選択が合っているのかどうか、ちゃんと考え直したほうがいいです。その時のテンションに身を任せるとろくなことにならないんで、漫画を描く前に、一回抜いて落ち着いて作りましょう(笑)。

S: 担当もネームを見る前に一回抜いて(笑)。

武田: 絶対そう。この記事にも書いておいたほうがいい(笑)。

T: それを意識して『はだ恋』の担当をしていきます(笑)。ありがとうございました!

 

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