月刊「good!アフタヌーン」で好評連載中の人気作『空挺ドラゴンズ』。その新担当編集者が第10巻発売を記念して、作中でおなじみの「龍料理」に挑戦! 第1回目は初級編(?)の「龍のカツレツ」が登場!
天災とも呼べる強大な力を持って大空を舞い、全身が人間にとっての資源となる大型生物「龍」。この驚くべき生物が存在する世界で、龍を追って世界の空を往く捕龍船「クィン・ザザ号」の乗組員たちの冒険を描くのが、桑原太矩(くわばら・たく)先生の『空挺ドラゴンズ』です。
2016年に「good!アフタヌーン」での連載が始まって以来、各漫画賞の受賞やTVアニメ化などでも大きな話題を集めた本作。2021年3月5日には記念すべき第10巻が発売となり、ますます人気が高まっています。
そんな中、昨年から新たに本作の担当編集チームに加わったアフタヌーン編集部の西山さんが一念発起! 作中で描かれる絶品料理を自分でも作り「『空挺ドラゴンズ』の料理はマジでウマイ! ということを世に広めたい!」と言い出しました。
フライパンと肉叩きを手に、やる気満々の西山さん
……とはいえ、西山さんは普段まるで料理をしない「自炊率(ほぼ)ゼロ」男子。そこで以前から本作を担当し「多少なら料理できます」と自称するアフタヌーン編集・寺山さん同席のもと、西山さん自身が選んだ3品+αの料理に挑戦することとなりました。最初の一品となる今回は、第2巻「Flight10」登場の「龍のカツレツ」に挑戦です!
- ……アフタヌーン西山
>担当編集の詳しいプロフィールはDAYS NEOに掲載!
- ……アフタヌーン寺山
>担当編集の詳しいプロフィールはDAYS NEOに掲載!
前日のコソ練の結果は…「カツレツ怖い」!?
「龍のカツレツ」は「クィン・ザザ号」の面々が、寄港したクオーン市で事件に巻き込まれた際に登場した料理です。作り方は一般的なトンカツとよく似たシンプルな揚げ物。大量の油を使う手間はありますが、料理の手順だけ見ると複雑なことはなく、初心者でもちゃんと作れそう?
西山:実は、自分でやるといったものの不安になって、家でいちどコッソリ練習したんです。でも、衣がちょっとコゲるくらい揚げても中の肉はピンク色っていう…中身だけもう一度焼いて食べました。
寺山:揚げ物でよくやる失敗だね。
西山:簡単そうだと思って最初の料理に選んだのに、今は少し「カツレツ怖い!」って感じです(苦笑)
そんな不安を口にしつつ、まずは材料の確認から!
龍の赤肉(豚のロース肉で代用):200g/塩:少々/コショウ:少々/パン粉:1カップ/粉チーズ:大さじ4/小麦粉:適量/卵:1つ/龍脂(サラダ油で代用):適量/バター:15g
2巻掲載の「龍のカツレツ」レシピがこちら!
西山:龍の赤肉や龍油はさすがに手に入らないので、今回は豚ロース、龍油はキャノーラ油で代用します!
寺山:『空挺ドラゴンズ』の料理は、桑原さんご自身が可能な限り実際に料理をして作って食べてます。だからこそ、作っている様子も細かく描けるんです。
西山:よく「料理コーディネーターみたいな方がいるんじゃないか?」といわれますが、特に監修の方はいません。桑原さんのTwitterでは、ときどき「試作品」の写真が挙がっていますよ。
まずは肉の下準備!
最初にするのは肉の下ごしらえ。まずは肉を肉叩きやワインのビンなどで叩き、柔らかさを保ちつつ薄くのばします。
西山:肉を叩くといわれても、どのくらいまでのばせばいいか、よくわからないんですよね。
寺山:今回の肉はちょっと奮発して厚めのやつを買ってきたから、けっこうしっかり広げた方がよさそう。
西山:手前に引く感じで叩くんですよね。1.5倍くらいの広さになればいいのかな?
寺山:薄くしたぶん、揚げたときの火の通りもよくなるから。全体の薄さをそろえるのも忘れずに!
肉を叩いたあとは、塩コショウで下味をつけます。
西山:「塩・コショウ少々」ってよくいいますけど、具体的にどのぐらいなんですかね。
寺山:材料の量も関係するから、そこはわりと経験かなあ。今回は西山くんの思う「少々」で作ってみよう(ちょっと含みがありそうな顔)。
西山:分かんないけど、とりあえず振っていきます!
結局、肉にまんべんなく塩を振っていく西山さん。首をかしげながらの味付けの結果は後ほど!
ミル型容器の開け方に悩む西山さん。上についている薄いフタをパカッと取るのが正解です!
チーズ入り衣で肉を包もう!
下ごしらえを終えたら、次は衣つけです。「龍のカツレツ」の衣はたっぷりと粉チーズを入れる豪華な衣で、揚がった時の香りが絶品! まずはパン粉と粉チーズを混ぜて衣を準備します。
西山:パン粉を両手ですりつぶす感じで細かくして、粉チーズと混ぜる…と。チーズ大さじ4杯って実際入れるとかなりの量に感じますね。
パン粉の粗さはお好みでもOK。粉チーズとまんべんなく混ぜます。
あとは、小麦粉、とき卵、先ほど作った衣の順で、肉に衣をつけていきます。
西山:さすがにここでは失敗しません! 最初につける小麦粉は薄力粉を使っています。
最後は軽く肉をおさえて、おいしいチーズ入りの衣をしっかりつけましょう!
いよいよ最大の難関「揚げ」!
肉の準備が終わったら、いよいよ油で揚げ焼きに! 今回のカツレツはフライパンを使った、「揚げ焼き」なので、大量の揚げ油を用意しなくてもよい料理法です。
西山:フライパンに5mmくらいの油を…えっ、5mm? フライパンの中だと高さが分からなくないですか!?
寺山:そこまで顔を近づけて厳密にチェックしなくても(笑) 浸るぐらいの油が入っていれば大丈夫だと思うよ? 心配なら菜箸をまっすぐ入れてみて、箸のどこまで油がつくかで判断してもいいかも。
油の準備ができたらバターを入れて、コンロに点火! バターが揚げ油に溶けて、キッチンにいい香りが広がります。温まってきたら余ったパン粉を入れて、油の温度をチェック!
西山:失敗を繰り返さないようにしないと。油の温度ってどう見たらいいんですか?
寺山:160~170度くらい…パン粉を入れてみて、細かい泡が出て広がるようならいいんじゃない? すぐ揚がっちゃって、わーっとパン粉が広がるようだと温度が高すぎ。
西山:いやマジでわからん。あ、でも、ちょうど今パン粉から泡が出てる感じなのでやってみます!
コンロの火を中火におさえて…いざカツを投入!
あとはカツの揚がり具合を確認しながら引き上げるだけ! 衣のチーズの香りが部屋に広がる中で、西山さんはやや腰が引けながらも揚がっていくカツの色をチェックします。
寺山:手探り感がすごい(笑)
西山:「きつね色」っていうのも普段から料理してないとピンとこないですよねえ。
寺山:お店で売ってるカツの色になってれば大丈夫だよ。よさそうならひっくり返して。揚げ焼きの場合、裏側は火が早く通るから最初に焼いた表側より、ちょっと短めの揚げ時間でいいよ。
カツをひっくり返して謎のカメラ目線。よそ見しないでください!
西山:肉を焼くとき、串を指して出てくる肉汁の色を見るっていいますよね!
寺山:カツは衣がついてるから、肉汁が出てもよくわからないのでは?
西山:(プスッ)確かにこれはわからんですね。
寺山:まあ、確かめたいという姿勢は大事かな…。
西山:あ、でも大丈夫そうだし、ここで上げちゃいます!
菜箸でプスッと。肉汁の色はわかりませんが、揚がり具合はいい感じ?
ついに完成! コソ練のリベンジなるか…?
「西山さんなりのきつね色」に揚がったカツが、ついにまな板の上に! 先日の失敗を思い出して緊張しながら包丁を入れると…?
西山:ピンク色…ではないみたいです。これは成功じゃないですか?
寺山:おぉ!! コソ練の成果が(笑)
無事に成功! 衣も焦げておらず、いい色です!
見事に「龍のカツレツ」完成です!
最後は自分で作った龍料理を実食! 『空挺ドラゴンズ』本編でミカも楽しみにしていたそのお味は?
西山:おいしいですよ! 盛り付けの時に衣がちょっとはがれちゃいましたが…。
寺山:おいしいね! ちょっとだけしょっぱいけど(笑)
下味をつけるときに寺山さんが含みのある顔をしていたのは、西山さんが衣に入る粉チーズのことを考えずに塩を振っていたのを見たから。チーズの塩気+多めの塩で、ちょっぴり塩味が強い仕上がりでした。
西山:チーズの塩気は考えてもなかったです…けど、ソースをつけなくてもしっかり味がついてるし、なにより揚げたてがめちゃくちゃおいしいですよ! 油の温度だけ注意すれば、僕のように普段料理をしない人も簡単に作れて、おすすめです!
コソ練の失敗を乗り越えて、無事に「龍のカツレツ」を作ることに成功した西山さん。本編でミカが食べているような特大カツレツはちょっと難しそうですが、普通のサイズならフライパンで作れるお手軽さはポイント! ぜひこのブログを読んでいるみなさんも、挑戦してみてください!
アフタヌーン公式ホームページにて「龍のカツレツ」を含む全6品の再現レシピを公開中!
さらに、コミックDAYSでは再現レシピのメニューが登場する全5話「Flight1・10・18・26・31」を期間限定で無料公開中!!
【4月15日(木)23時59分まで】
詳細は以下のページをチェック!
そして、西山さんの龍料理クッキング第二弾は近日公開予定です。今回の成功を次につなげ、絶品の『空挺ドラゴンズ』の味を再現できるのか? こちらもお楽しみに!